え、そんな大変なことになるの….. エンジンに重大なダメージを与えかねえない[ノッキング]の恐怖!!
「キンキン」「コンコン」という音がエンジンから聞こえた場合、それは「ノッキング」という症状の兆候かもしれません。ノッキングは放置しておくとエンジンに重大な損傷を与える可能性も….. ではこのノッキングを起こさないために、今一度対処法や予防法を確認しておきましょう。 【画像ギャラリー】エンジンを壊すと高額請求も!?愛車で必ず確認しておきたいノッキングの原因と対策(8枚) 文/佐々木 亘写真/AdobeStock(トップ写真=Brian@AdobeStock)
■タイミングのズレた点火がノッキングの原因
クルマに乗っている時、明らかに不自然な振動を感じることがありませんか。 振動は数秒で止まることもあり、なかなか気に留めずに走り続けている方も大勢いるのですが、それがもしかすると、エンジンに大きなダメージを与える予兆の可能性もあるのです。 ノッキングは、エンジン内部で燃料が不均一に燃焼し、正常な燃焼サイクルからタイミングがズレて燃料が爆発する現象を指します。 燃焼タイミングが早いものを「プレイグニッション」、正常燃焼の後に別の火種によって発火するものを「デトネーション」といい、どちらもエンジンに対して悪さをするものです。
■ノッキングはなぜ起きるのか?
ノッキングが起こる原因にはいくつかあります。 まずプレイグニッションは、エンジンの点火プラグによる点火前に、燃料混合気が自己発火してしまう現象です。 この自己発火は、エンジン内部の高温の部品(ピストン、シリンダー壁、デポジットなど)により発生します。 その原因となるのは、過度のエンジン加熱や不適切な燃料使用、高圧縮比、エンジン内部の炭素堆積などです。 一方デトネーションは、高圧縮比、高ブーストのクルマに多く、仕様よりもオクタン価の低いガソリンを入れた際にも起こる可能性があります。 簡単にいうと、ハイオク仕様のクルマに、オクタン価の低いレギュラーガソリンを入れると起きやすくなる現象です。 ノッキングは、現代の高性能なエンジンでも起こりえる問題です。高性能なエンジンだからこそ、起きやすくなっているとも言えるのではないでしょうか。 低燃費で高効率なエンジンが最近の主流ですが、なかには高圧縮比やターボチャージャーなどを使用して効率を高めているものもあり、これらの技術は誤った使い方をすると、ノッキングを起こしやすくする要因にもなるのです。