「鉄分が足りているか」を知るためにはココを見よ!血液検査で注目すべき「意外な項目」
毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。 【漫画】くも膜下出血で倒れた夫を介護しながら高齢義母と同居する50代女性のリアル BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。 『健診結果の読み方』連載第12回 『患者が増えて「トク」⁉…「健診基準値」のウラに隠された「黒すぎる」思惑と誰も知らない「基準値の真実」』より続く
貧血3項目とは
血算検査とは、血液中の細胞成分である赤血球、白血球、血小板の数や大きさと、ヘモグロビン量やヘマトクリットと呼ばれる項目を調べる検査です。貧血や白血病などのスクリーニングに欠かせないため、職場健診の必須項目に入っています。 このうちとくに「赤血球数(RBC)」「ヘマトクリット(HtまたはHct)」「ヘモグロビン量(Hb)」の3つは、貧血の有無を調べる項目です。 赤血球は体のすみずみに酸素を運搬する細胞です。基準値は、男性で400万~550万個/μL(マイクロリットル、1ミリリットルの1000分の1)、女性では350万~500万個/μL程度です。 ヘマトクリットとは、血液に占める赤血球の体積の割合(パーセント)です。採血した血液を遠心分離機にかけると、血球成分と血漿(液体成分)に分かれるので、そこから赤血球の体積を測って、全血液の何パーセントに当たるかを割り出します。基準値は男性で40~50パーセント、女性で34~45パーセントです。 ヘモグロビンは、赤血球のなかに詰まっている酸素運搬用のタンパク質で、「血色素」とも呼ばれます。その中心に鉄原子がはまっていて、それが赤い色を呈するため、血液が赤く見えるのです。基準値は男性で14~18g/dL(デシリットル)、女性で12~16g/dLです。