【陸上】世界陸連独立機関がナイトンのドーピング違反疑いを上訴 パリ五輪男子200m4位
アスリート・インテグリティー・ユニット(AIU、世界陸連の独立不正監査機関)は8月14日、男子短距離のE.ナイトン(米国)のドーピング違反疑いについて、スポーツ仲裁裁判所(CAS)へ上訴することを発表した。 エリヨン・ナイトンの暫定資格停止処分が解除 ドーピング検査陽性反応も「過失なし」で五輪選考会出場へ ナイトンは競技外検査で禁止物質のトレンボロンが検出されたが、アメリカのアンチ・ドーピング機構(USADA)の判断により、過失での摂取であるとして資格停止の処分を受けなかった。 決定は米国の五輪トライアルの直前に発表され、ナイトンは200mでトライアルを突破。パリ五輪では19秒99(+0.4)で4位となっていた。今回のAIUの上訴は、米国の仲裁裁判所による選手(ナイトン)の過失認定の決定に対するものであると発表されている。 USADAは14日にこの件に対する声明を発表。手続きは規則にのっとり適切に行われた上で仲裁裁判所の決定を発表したとし、「AIUの上訴の理由を理解するが、真の問題は世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の悪しきルールである」としてWADAを批判した。 かねてより牛肉汚染に関するルール変更を求めているが改正されないことに不快感を示し、「特定の国や選手のためにルールを変更しようとしているのは公然の秘密だ」と主張した。 USADAは水泳でのドーピング問題をめぐり中国のアンチ・ドーピング機構(CHINADA)と対立しており、声明の中でも中国の事例を挙げて批判している。一方のCHINADAも、ナイトンの件への調査を求める声明を8月上旬に公表していた。
月陸編集部