体操界の「キング」内村航平さん、団体金を狙う後輩へ「着地が何よりも大事」「120%の力を」 パリ五輪まで1カ月
パリ五輪開幕まで、26日で1か月を迎えた。体操男子で個人総合2連覇など五輪で計7個のメダルを獲得した内村航平さん(35)は、2022年の引退後も2大会ぶりの団体総合金メダルを狙う代表メンバーや個人総合2連覇がかかる橋本大輝(セントラルスポーツ)らに自らの経験を伝えてきた。20年ぶりに出場選手ではない立場で迎える夏季五輪を前に、「キング」が産経新聞のインタビューに応じ、今の代表選手にエールを送った。 【別カット】笑顔でインタビューに応じる内村航平さん ――現役引退から初めて夏季五輪を迎える心境は 「こんなにも自分の競技のことを考えなくていい五輪はない。去年までは現役の選手の試合を見ると、少しやりたい気持ちがあったけど、今年に入ってからは全くなくなった。本当の意味で引退した気がします」 ――五輪には4度出場し、日本男子のエースとして3個の金メダルを獲得した。どんな舞台だったか 「ひと言でいうと、本当にキラキラした舞台。〝特別〟以外に何もない。小さいころから知っている大会で、経験する前から特別だったけど、経験したらなお特別になりました。1回出るだけでも大変なのに、4回出られた自分に改めて誇りが持てました」 ――引退後は代表の強化コーチなどとして、橋本選手らに助言を送ってきた。今の選手に引き継いだことは 「着地の大事さですかね。昨年の世界選手権に同行した際、着地が何よりも大事だと選手全員に言いました。着地は僕が絶対的に武器にしたもの。橋本も個人総合決勝で、最後の鉄棒の着地を止めて勝っているので、ちゃんと引き継げた気がします。美しい体操というのは日本体操界として当たり前のことですから」 ――16年リオデジャネイロ五輪では2大会連続で個人総合を制した。連覇に対してどんな思いで臨んだか 「個人総合は世界選手権を6連覇して、五輪2連覇のかかったリオ五輪を迎えました。あえて五輪を特別視せず、世界選手権も含めて1年1年やっている中でいつも通りやったら勝てると意識しました。でも、連覇はあまり考えず、団体総合で勝たないとという気持ちの方が強かったですね」 ――団体総合で勝つ難しさや特別感は