老後資金の出口戦略とは? FPが投資信託の取り崩し法を教えます
定期的な取り崩し方法の比較
老後に向けて資産形成中の人は、iDeCoやNISAで主に投資信託で運用されていると思います。将来、老後を迎えて資産の取り崩しが始まった時の取り崩し法を、投資信託を想定して考えます。 まず、先に確認したライフプランにおけるイベントに掛かる費用は、必要な時に必要な金額だけを取り崩します。38万円必要な時に50万円を取り崩してしまうと、12万円分の投資機会の損失になりかねません。またお財布に入った12万円は、無駄遣いの餌食になる可能性も大きいのでは? と懸念します。 生活費の補填として定期的に取り崩す方法には、下記の3つの方法があります。 (図表)
図表のように、それぞれの方法のメリット・デメリットを簡単に整理しました。どのやり方がお得なのか? は、相場の環境により変わります。過去のデータなどで投資効率が優位だったのは定率法です。 ですが個人的には、金額が分かりやすい定額法に優位性を感じます。「毎月いくら使えるのか?」を計算し、老後の資金計画をたてると安心ではないでしょうか。なお、定率法や定口数法も知っておくと今後の取崩しに役立つ場面があるはずです。 最後に、「シニアは投資から貯蓄にシフトするほうが良い」という意見があります。ですが投資から撤退してしまったら、老後の資金寿命を延ばすことには不利です。投資配分を減らしつつ、投資の世界に居残ることをお勧めします。 執筆者:宮﨑真紀子 ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部