会談に出席する石破茂首相＝11日、ラオス・ビエンチャン（AP）

【ビエンチャン＝原川貴郎】石破茂首相は11日午前（日本時間同）、訪問先のラオスの首都ビエンチャンで、東南アジア諸国連合（ASEAN）に日米中露など8カ国を加えた東アジア首脳会議（EAS）に出席し、南シナ海などの地域情勢を巡って議論する。午後には内外記者会見を開いて外遊の成果を説明する。 首相はEASへの出席に先立ち、ASEANの議長国ラオスのソンサイ首相と個別に会談。ラオスのビジネス環境の改善や脱炭素化の促進に向けた協力を確認し、外交関係樹立70周年となる来年に、両国関係を包括的・戦略的パートナーシップに格上げする方針で一致した。会談は当初、10日に実施する予定だったが、日程が変更された。 EASは安全保障上の課題などを議論する枠組みで、今回は緊迫化する中東情勢や中国の覇権主義的行動で緊張が高まる南シナ海情勢が議題となる見通し。 石破首相は午後には、東南アジアなどとの脱炭素の連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体（AZEC）」の首脳会合を主催し、今後10年を見据えたアクションプラン（行動計画）のとりまとめを目指す。 このほかベトナムのファム・ミン・チン首相とも個別に会談。オーストラリアのアルバニージー首相とも会談する。 石破首相は一連の外交日程の終了後、内外記者会見を開く。その後、政府専用機でビエンチャンを出発し、12日午前に帰国する。