地域に貢献できる病院に 喜界徳洲会新病院で竣工式 12月1日診療開始
新築移転を進める医療法人徳洲会「喜界徳洲会病院」(小林奏院長)の竣工式が17日、鹿児島県喜界町赤連の新病院敷地であった。徳洲会や同町、工事関係者ら約50人が出席。福田貢徳洲会副理事長らが完成への感謝を述べた。式後の一般内覧会には、地元住民ら1000人以上が来訪。同院は「喜界島唯一の病院。診療機能を向上させ、さらに地域に貢献できる病院にしたい」と意欲を示している。新病院での一般診療は12月1日開始予定。 新病院の建設地は町防災食育センターに隣接する町有地で現病院から南東に直線距離で約1キロに位置する。災害時の避難場所を考慮し、町から無償貸与された。2022年12月着工。海抜約27メートルの高台にあり、付近には町役場や喜界中学校が立地する。 新病院は鉄筋コンクリート造り3階建て。台風の影響を抑えるため低層階で、強風を受け流す設計とした。病棟は1フロアに集約し、中央に設けた広場スペースから外来や薬局、検査科などを見渡せるよう配置。院内導線を整えることで利便性の向上や療養環境、職場環境の改善を図った。自家発電設備を格納し軟水器を設置、3日分の食料を備蓄するなどして災害にも備える。 病床数と診療科目は現病院と同じ89床、15科目。敷地は1万6368平方メートル、建物は延べ床面積8979平方メートル。新病院では205台分の駐車スペースも確保した。医師7人、看護部97人など計196人体制をとる。 喜界徳洲会病院は1991年8月に開院。島内唯一の病院で、外来平均は1日当たり約180人。救急搬送は年300件以上に上る。徳洲会グループの離島病院では2017年12月の沖永良部徳洲会病院に次ぐ新築移転となる。