阪神・佐藤輝明「いいスイングできた」 紅白戦3試合で打率5割 アイブラック兄弟の侍・森下へもエール
阪神秋季キャンプ(16日、高知・安芸) 雨音をかき消す快音が響く。安芸に詰めかけた2600人の虎党は一番の歓声をあげた。阪神・佐藤輝明内野手(25)が主砲の自覚がにじむ〝4番打〟を放った。 「結果は別として、きょうもいいスイングできたのでよかったです」 紅組の「4番・三塁」で今キャンプ3度目の紅白戦に臨んだ。1点を先行した直後の一回2死。門別の初球、145キロ直球を捉えた。中前に運ぶ一打。2打席目は津田の直球を見極め四球を選ぶなど、紅白戦3試合を打率・500(6打数3安打)で締めた。 17日で秋季キャンプも打ち上げ。この期間は、ノーステップ気味の打撃フォームを洗練し、課題の守備力を向上させるため特守で懸命に白球を追ってきた。プロ4年目、自身初の安芸フル参戦まであとわずか。主軸として、虎の中心選手として、背中で、姿勢でチームを引っ張る姿に藤川監督も「あともう1日ですけど、来年に向けて、来年のキャンプ、シーズンに向けて、うまく彼がオフシーズンに入っていけるようにできていると思います」と目を細める。 海の向こう、台湾では後輩の森下が日本代表としてプレミア12に参加している。〝アイブラック兄弟〟の弟分は、侍ジャパンの4番として日々奮闘。15日の韓国戦(台北ドーム)で森下が放った1号2ランはテレビ越しに目に焼き付けた。 「まだ(試合は)続くと思うので頑張ってほしいですね」 覇権奪還へ、佐藤輝は安芸の地で野球に没頭する。泥にまみれた鍛錬の秋を、必ず2025年の飛躍へとつなげてみせる。(原田遼太郎)