天台宗の新座主に次座探題の藤光賢氏が就任 100歳の大樹孝啓座主は2月1日付で退任
天台宗(総本山・延暦寺、大津市)は10日、大樹孝啓座主(100)が2月1日付で座主を退任する、と発表した。高齢などに伴う体調不良が主な理由。後任の第259世座主には、同宗の教学最高位「探題」の一人で、座主に次ぐ次座探題の藤光賢氏(92)が同日付で就く。延暦寺住職も兼ねる。 【写真】尼僧の性暴力被害告発巡り発信する天台宗僧侶 天台座主は、任期の定めがなく終身が一般的だが、宗規には次の順位の探題に譲ることができると記されている。生前の退任は、渡辺恵進・元座主が高齢による体調不良などを理由に2007年に退いて以来、18年ぶり。 天台宗によると、大樹座主は昨夏ごろから体調不良となり、静養する日が多くなった。天台宗総務局や延暦寺執行局に座主と住職を退きたい意向を伝えていたという。 大樹氏は前任の故森川宏映氏の死去に伴い、2021年11月、座主に就任した。23年、11年にわたる祖師先徳鑽仰大法会(せんとくさんごうだいほうえ)を締めくくる総結願(けちがん)法要で大導師を務め、24年の夏には八坂神社(京都市東山区)で行われた神仏習合の儀式「八坂礼拝講(らいはいこう)」に参列し、疫病退散の祈りに手を合わせた。 後任の藤氏は1932年、長崎県生まれで、現在は金乘院(佐賀県吉野ケ里町)住職も務める。天台宗議会議長、宗務総長などを経て、2003年に戸津説法師。07~21年は曼殊院(左京区)門主を務めた。