【オーストラリア】INPEX出資の再エネ企業、発電所建設へ
資源開発大手INPEXが50%を出資する、エネル・グリーン・パワー・オーストラリア(EGPA)が、太陽光発電と蓄電池システムを組み合わせたハイブリッド発電プロジェクト「クォーン(Quorn)・パーク・ハイブリッド・プロジェクト」向けに、1億9,000万豪ドル(約198億円)の資金を調達したと発表した。同プロジェクトではニューサウスウェールズ(NSW)州パークス周辺に発電施設を建設予定で、今年第3四半期(7~9月)までに着工し、2026年上半期の稼働を目指す。 EGPAはイタリアの大手電力・エネルギー会社エネルのオーストラリア法人で、INPEXは昨年7月、子会社のINPEXリニューアブル・エナジー・オーストラリアを通じてEGPAの株式を取得すると発表していた。 同プロジェクトではINPEXとエネルからの資金提供に加え、ウエストパック銀行と中国銀行(BOC)が融資を提供している。 98メガワットの太陽光発電所と、40メガワット時の蓄電池システムを建設し、これらを統合しひとつのユニットとして運用する計画。太陽光発電・蓄電池のハイブリッド施設として初めて全国エネルギー市場(NEM)に送電する予定で、4万5,000世帯に電力を供給する見込み。 また、太陽光発電パネルは中国の業界大手の隆基緑能科技(ロンジ)が、蓄電池は中国の電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)がサプライヤーとなっている。 EGPAは他州ですでに複数の再生可能エネルギープロジェクトを運営しているが、NSW州進出は今回が初。同社は今後、全国展開を加速させたい考え。