「ジブリっぽい、きれいな街並みで…」長崎の新アリーナで感動、感激、感謝の2日間 Astemoリヴァーレ茨城がSAGA久光スプリングスとの激闘制し今季8勝目【SVリーグ女子】
バレーボール「大同生命SVリーグ」女子が11月30日と12月1日に長崎市のハピネスアリーナで初開催され、SAGA久光スプリングスとAstemoリヴァーレ茨城が2日間、計5312人の観客の前で熱戦を繰り広げた。 ■引退表明の古賀紗理那が同僚たちと〝思い出〟ショット【写真】 佐賀県鳥栖市を本拠とするSAGA久光がファンマーケティングの拡大などを目的に隣県でホームゲームとして実施。結果は1勝1敗で星を分け合いながら、茨城から遠路長崎の地に乗り込んだAstemoにとっても意義あるアウェーになった。 「素晴らしいアリーナでやらせていただいて、気持ちが高ぶるものがありました」。11月30日の初戦の後、Astemoのアタッカー、野中瑠衣(23)は会見で感謝の思いを口にした。サッカースタジアムを中心にホテルや商業施設など「わくわく感」が詰まった複合施設「長崎スタジアムシティ」の中に、ハピネスアリーナはある。バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の長崎ヴェルカの本拠地でもあり、試合のオープニングではコンサート会場のような照明演出で盛り上がった。 前節のヴィクトリーナ姫路戦で連敗を喫していたAstemoはSAGA久光との初戦を1セット先取からの逆転負けで落とした。レフト側からを中心にしたAstemoの高い攻撃力を削ろうと、狙う選手とエリアを徹底したSAGA久光のサーブ戦術に苦しんだ。「ベースの部分が崩れてしまって、悔いが残る試合になってしまいました」。新キャプテンの上坂瑠子(25)は今季初の3連敗に唇をかみしめながらも、悔しさを振り払うように「当たったときの自分たちの強さは本当に未知数で『強い』と思うので」と下を向かなかった。そのストロングポイントを翌12月1日に発揮した。 3時間に及んだフルセットの激闘。一進一退の攻防の末に競り勝った。前日の試合で「情けないプレーをしてしまいました…」と唇をかみしめた野中も奮起。セッター対角でフル出場し、ライト側からのオフェンスに加え、ブロックポイントとサービスエースも2本ずつマークした。チーム最多の48本に上ったサーブレシーブではリベロの德本歩未香(20)とともに攻撃の起点となった。来年1月のSVリーグオールスターゲームにファン投票で選出されるなどAstemoの新たな「顔」として注目度も上昇中。さっそうとした攻守とさわやかなスマイルで観客を沸かせた。 上坂や野中にとって長崎は初めて訪れた場所だったという。「路面電車があって、山にもおうちが立っていますよね。本当にジブリっぽい、きれいな街並みで、それに夜景もステキで心地よいといいますか、気持ちがリフレッシュできて本当に好きになりました。次は観光で来たいです!」。福井県越前市出身の上坂が目をハートマークにすれば、秋田市出身の野中も感激の面持ちだった。「サッカー場もそうですし、アリーナ周りの施設が本当に充実していて、こういう場所が街にあるのはいいなあと感じました。私の地元の秋田県もすごく参考にしているみたいで、この前もここ(施設)を視察に来られたそうです」と明かした。 8勝6敗の7位(14チーム中)で、次節7、8日は茨城県の日立市民運動公園総合体育館でPFUブルーキャッツ石川かほくとのホーム2連戦に臨む。「相手に対してというよりも、自分たちのコンビネーションを合わせるとか、プレーを最後までしっかり遂行していくことが大事」。副キャプテンも務める野中がチームの思いを代弁した。長崎で挙げた「1勝」がAstemoの選手たちに初心を思い起こさせた。(西口憲一) 【#OTTOバレー情報】
西日本新聞社