各地で導入進む「宿泊税」、広島県は1泊5000円未満は非課税方針 ビジネス客などに配慮
広島県が導入を検討する「宿泊税」を巡り、1人1泊の宿泊料金が5千円未満の利用者には課税しない方針であることが分かった。これまで宿泊料金に関係なく1人1泊一律200円を徴収するとしてきたが、県議会や事業者からのビジネス客などへの配慮を求める声を踏まえて方針転換した。 【表】広島県が導入を検討する宿泊税の課税方針 複数の関係者によると、宿泊施設のうち簡易宿所は料金が安く、低予算の旅行者や仕事での長期滞在者の利用が多いとされる。県は県内の簡易宿所の平均単価4257円を目安に、非課税の対象を5千円未満としたとみられる。 県は年間延べ1500万人が県内に宿泊すると想定し、年30億円の税収を見込んでいた。5千円未満を非課税とした場合、税収は年26億5千万円に落ち込むという。仮に6千円未満を非課税にすれば税収は年23億4千万円、7千円未満の場合は年20億4千万円に下がると試算した。 県は簡素な制度が望ましいとして、税額を一律200円とする方針だったが、8月に修学旅行生の課税を免除する方針へ修正。さらに、事業者へのアンケートで一定の料金未満に課税しないよう求める意見が出たのを受け、検討を進めていた。 ただ、県議会内には宿泊税導入に慎重論が根強くある。5千円未満では非課税対象が限られるとして、対象を広げるよう求める声も出ている。
中国新聞社