藤浪晋太郎には「先がない」 直らぬ“悪癖”…阪神のコーチも「指摘したと思います」
一にも二にもフォーム修正…再起への第一歩は「肘をたため」
藤浪は昨季から米国へと環境を変えた。「阪神のコーチも良い時と悪い時の違いをわかっていて、指摘はしたと思います。その時に藤浪がしっかり聞けて理解していたかどうか」。メジャーで昨年途中に11試合連続無四球と安定した時期はあった。「アメリカのコーチは日本とは教え方が違うでしょう。自分でやって、わからない事があったら来なさいという感じ。藤浪には、誰かが近くにいて本当のいい投げ方を丁寧に指摘する方が合っているのでは。本人が良かった頃のフォームをわかってさえいれば、絶対に直ります」。 藤浪は今月からプエルトリコのウインターリーグに参加。代理人は来季のプレーの場として日米ともに見据えている模様だ。常に潜在能力の高さを評価されてきた藤浪も三十路を迎えている。「これまでは体が大きくて筋力があったから投げられた。だけど若い頃に比べて体力も落ちかけてくる。いい投げ方ができないと先がないですよ。はっきり言って」と危機感をあおる。同時に「まだ30歳だったら遅くない。もう一回考え直せば、まだまだできる」。一にも二にもフォームの修正に尽きると注文する。 現役時代の巨人移籍1年目に斎藤雅樹投手をいきなり20勝と覚醒させるなど、幾多の相棒をリードしてきた中尾氏。藤浪とコンビを組むなら、どう声を掛けるのか。「まずは『肘をたため』と言いますね。肘がのびた状態でくるから。肘さえ90度ぐらい曲げていれば、叩けるんです」と“再起”への道の第一歩を示す。 2012年ドラフト会議の興奮を忘れない。1位指名の藤浪には4球団が競合した。和田豊監督は抽選で当たりを引くや、両手でガッツポーズ。中尾氏も会場の控室で、同僚と大声を出して喜んだ。阪神はドラフト1位指名の抽選で12連敗中でもあった。「僕がスカウトの時、唯一くじが当たった選手ですから」と笑いつつ、「頑張って欲しいよね」と応援している。
西村大輔 / Taisuke Nishimura