住職を大量の練炭で殺害 墓石販売会社代表が起訴内容を認める
東京都足立区の寺の住職(当時70)を一酸化炭素中毒で殺害したとして、殺人罪などに問われた千葉県鎌ケ谷市の墓石販売会社「鵠祥堂(こくしょうどう)」の代表取締役・斎藤竜太被告(51)の初公判が18日、東京地裁であり、被告は起訴内容を認めた。 起訴状によると、被告は同社の役員の女=殺人罪などで起訴=と共謀し、2023年7月に寺の地下納骨堂に侵入。練炭に火を付けて立ち去り、翌朝に納骨堂に入った住職を一酸化炭素中毒で殺したとされる。助けに入った住職の妻と次女も一酸化炭素中毒にさせた。 検察側は冒頭陳述で、寺が土地を提供した霊園をめぐり、墓の販売・管理を担当した被告と住職の間に対立があったと主張。販売実績を伸ばしたい被告は、「販売対象は在来仏教徒に限る」とする条件の緩和を住職に求めたが認められず強い不満があった、と説明した。 弁護側は、被告が住職から墓の販売などに関して一方的な要求を受けていたとして、練炭を置くことで「恨まれていると分からせ、態度を改めさせる」目的だったと述べた。被害者が練炭で亡くなっても仕方がないという認識はあったが、強い殺意はなかったとも主張した。(金子和史)
朝日新聞社