不倫の誘い、「モテる」と勘違いした30代の独身女性「高望み婚」の大失敗…”苦しい経験値”が役に立たない
結婚相手が誰もいない
結婚相談所の仲人たちは、男女を成婚に導くプロだ。私は仲人として結婚相談所を運営し、これまでパーティーを主催する中でおよそ1000人以上の婚活者と出会ってきた。 【マンガ】3500万の住宅ローン組んだ「年収700万夫婦」が「地獄を見た」ワケ 仲人とは、婚活相談者の生い立ちや恋愛遍歴をヒアリングし、お相手となるターゲットを設定。相談者がどういうタイプで、どんな方とマッチングするかを一発で見抜く。そしてその直感は、じつは当てずっぽうではなく、本人でも気がつかない性格を見出し、裏付けされたデータと照らし合わせて相性を見出し幸せな結婚へと導いている。 仲人の観点を可視化した書籍『恋愛マッチング方程式』では恋愛診断で女性を以下の12タイプチャートとして紹介している。その中から、前回の<「じつは、ダメ」銀行に「結婚目的」で入った女性が堕ちた「落とし穴」…エリート行員は争奪戦、男性は遊びなれていた>に引き続き、「ドリーマー系・高望みタイプ」の婚活に焦点を当てていきたい。 じつは、宏大さんは女子行員にすぐに手をつけることで有名だった。女子更衣室で噂話をしている先輩行員も「私も食事したその日に誘われて」と自慢げに話をしていたのにもまたショックを受けた。 「職場に程近い場所でイチャイチャするなんて、あの子もどうかしてるわよね」と女性陣の悪口の対象は宏大さんではなく、一緒に出勤した女性に向かっていた。女の敵はあくまで女ということなのだろうか。 かすみさんはチャラい男の餌食にならずに済んだと、自分の気持ちに蓋をした。宏大さんはその数ヶ月後にその女性と結婚。お腹には子供がいて授かり婚だった。「私があの時に受け入れていれば」と後悔の念が度々襲ったという。 恋を忘れるのには新たな恋をするのが一番だ。かすみさんはもうひとりの同僚に乗り換えることにした。純朴で素直、華やかさはないが結婚相手に求める部分の水準は超えている。 しかし時すでに遅し。彼には少しにできた彼女と結婚を考えていた。周りを見渡せばほぼ既婚者で、独身男性は退職間近の課長のみ。 こうしてはいられないと焦ったかすみさんは、別の銀行に務める独身男性を紹介してもらった。10歳年上で中年太りが気になったが贅沢は言っていられない。何度かデートを重ね結婚を意識し始めた頃に、下手な箸の持ち方で、たまご丼を掻き込んでいる相手の不格好な姿を見て一挙に冷めてしまった。 その後、配置換えによる転勤が2度ほどあったが、どの支店でも理想とするような人は既婚者であったり、結婚を前提にした交際相手がいたりと、なかなか相手がみつからない。 じつは、銀行員は不倫する人が多いという都市伝説がある。ちょっとした失点が生涯の出世に響く閉鎖された空間ゆえに刺激を求めるのかもしれないが、かすみさんには不倫をするゆとりなど時間的にも精神的にもない。何度となく上司から不倫を持ちかけられるような場面があっても、すべてきっぱりと断っていた。