「どっちかに勝敗がつく。見とったらええやん」巨人との最終決戦前に阪神の岡田監督が言い残した言葉の意味…“サトテル”決勝アーチと岡留プロ初セーブ…横浜DeNAに競り勝った采配の裏
岡留は佐野を左飛に打ち取り、阪神戦では7本塁打を浴びているオースティンには徹底して低めにボールを集め、最後は外角スライダーで空振りの三振。そして逆転の3ランで調子に乗っている宮崎も内角をストレートで攻めた後に外角スライダーで三塁ゴロに打ち取り、プロ初セーブである。岡田監督は、しびれる局面で、また一人若い投手に貴重な自信を植え付けた。 岡田監督は、試合前のバッテリーミーティングで「先頭打者をとにかく抑えろ」と厳命した。 「それだけ言うた。昨日も8回のうち5回が先頭打者や。今日でもそうやろ。2ストライクからな。変に外にストライク。ボールを投げとったらええのに」 5回に青柳が先頭の森に打たれた二塁打、6回に桐敷が伊藤に打たれた中前打、7回に石井が牧に打たれた中前打。3度あった先頭打者出塁は、いずれも0-2と追い込んでから。残り7試合。小さな隙が命取りになることを知っている岡田監督は、チームの問題点を引き締めることを忘れていなかった。 今日22日から巨人との最後の2連戦を甲子園で戦う。巨人が広島に逆転負けしたため2ゲーム差で大一番を迎えることができる。 「途中で(広島が)逆転したとかそんなこと言うてたから余計に(競り勝った意味は大きい)やろうな」 連勝しても引き分け数の差で首位には並べないが、ゲーム差は無しとなり、勝ち数では、ひとつ上回ることになる。 「2試合するんや。向こうも勝つ気なんやから。両方(のチームが)勝たれへんねんから。どっちかに勝敗がつく。見とったらええやん」 大阪への移動用のワイシャツとズボンに着替えて、テントの中で立ったまま記者の“囲み取材に応じた岡田監督は、そう不敵に笑った。 巨人の他球団との試合はコントロールできないことではあるが、2ゲーム差で追いかけるところまでチームを作りあげてきた自負がある。この言葉は、その自信の裏返しだ。 ミラクル逆転連覇の行方を決める“2番勝負”の第1戦の先発に送り込むのは、エースの才木、対する巨人は、ハーラートップ14勝の菅野。1点を争う投手戦が予想される。 ヒーローの佐藤がファンにこう呼びかけた。 「皆さんと同じで僕たちも誰1人あきらめていないんで。最後までご声援をよろしくお願いします」 ミスを犯した方が負ける。より集中力のあるチーム、すなわち、より優勝への思いの強いチームに甲子園の勝利の女神は微笑みかけるだろう。 (文責・RONSPO編集部)
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