弱点克服ではなく、強みを最大化するキャリア術「2025年こそ、本当の自分を解き放て」
私たちが働く環境は、年々ダイナミックに変化しています。2025年という節目が近づいている今、改めて自分のキャリアを見直し、新たな一歩を踏み出すための「舵を切る」時期に来ていると感じる方も多いのではないでしょうか。 ここでは、「弱点克服」よりも「強みを活かす」ことが、これからのキャリアデザインにおいて重要であるという考え方を中心に、2025年に向けて前向きに働くためのヒントをお伝えしたいと思います。
弱点克服より、強みを活かすキャリアへ
新人の頃は、基本的なスキルを身につける段階ですから、弱点を克服することは避けては通れないでしょう。ところが、社会人としてある程度経験を積んでくると、自分の得意領域や適性がだんだんと見えてきます。 ここで大切なのが、「弱点を克服するよりも、自分の強みを知り、それをどう活かすかを考えること」です。多くのキャリア理論では、キャリアの成長を大きく左右する要因として「いかに自分の強みで勝負するか」を挙げています。 私が関わるキャリアデザイン研修でも、まずは自分の強みをしっかり理解し、それを武器として確実に成果を出していくことが「自分らしいキャリア」を築く近道だと伝えています。 実は、この「強みを活かす」考え方は、古くから指摘されてきた王道の理論です。経営学者ピーター・ドラッカーは名著『プロフェッショナルの条件』の中で、次のように述べています。 「時間は有限である。弱みを克服することに時間を充てるのは非効率である。弱みは、チームで補完し合えばよい。自分の強みを知り、貢献を考えて行動するほうが、より自分を伸ばせる」 これこそが、キャリアを自分らしく発展させるカギです。強みを活かせば成果に直結しやすく、同時に、やっている本人もエネルギーが湧いてきます。 逆に、苦手な領域ばかりに時間をかけると、ストレスや疲弊ばかりが増えて、結果としてパフォーマンスを落としやすいのです。
強みを見つけるためのヒント
「でも、自分には強みなんてあるのだろうか」と思う方もいるかもしれません。しかし、誰しも必ず強みは持っています。ここでおすすめなのは、「強み」をできるだけ細かく定義してみることです。 イギリスの心理学者アレックス・リンレイ博士が提唱する強みの要素を参考にしてみると、思った以上にバリエーションがあることに気づきます。 人よりうまくできると思えること やることで活力が湧き、ワクワクできること 成果が出ており、周囲にも認められていること これはリンレイ博士の定義をわかりやすくまとめたもの。この3条件を満たすかどうかをチェックし、3つそろっているものこそ、あなたが本当に伸ばすべき強みなのです。 自分の強みを見極めるうえでおすすめしたいのは、周囲からのフィードバックを積極的に取り入れることです。自分の感覚だけでなく、仲間やクライアントから「あなたのここが助かった」「こういう部分をもっと生かせるんじゃないか」といった声は、客観的な視点を得るためにもとても貴重です。 2025年に向け、一度、時間をとって考えてみるのもおすすめです。