豪ヘッジファンドがマネーフォワードの保有拡大、価格決定力に着目
(ブルームバーグ): シドニーに拠点を置くヘッジファンドのGCQファンズマネジメントが日本のクラウド会計企業の価格決定力に着目し、マネーフォワードへの投資を拡大している。同社の主力のロングショート株式ファンドは2022年7月の設定以来、年率30%のリターンを上げている。
同ファンドは10月、マネーフォワードのポジションを積み増した。日本での電子領収書の保存義務化を追い風に向こう5年間で株価が5倍になる可能性があると見込む。
GCQの投資戦略では、インフレに悩む世界で業界をリードする企業が価格決定力を発揮できる点に注目する。米ビザと米アルファベットを含む5銘柄だけでファンドの保有比率の過半を占めている。一方、マネーフォワードのような最近追加された銘柄の保有比率は5%未満にとどまる。
最高投資責任者(CIO)のダグ・タイナン氏は、「新しい企業がわれわれの投資チェックリストをクリアしたのは3年半ぶりだ」とシドニーでのインタビューで指摘。「クラウド会計ソフトは地元企業の独占になりやすいので非常に良い」と語った。
同ファンドにとって投資可能な企業は、業界を支配する221社に過ぎないという。マネーフォワードの投資判断には何年も要し、価格変更後の4月にようやく投資可能となった。
GCQの共同創業者でもあるタイナン氏は「10年から20年遅れている海外の業界を発掘するのを好む」とし、「クラウド会計も間違いなく成功する分野の一つだ」と語った。
マネーフォワードの年初来の上昇率は2%程度で、東証株価指数(TOPIX)を下回る。
原題:Hedge Fund GCQ Up 30% a Year Bets on Japan Cloud Software(抜粋)
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Harry Brumpton, Richard Henderson