高級ブランドのバッグ片手に…部屋が無期限閉鎖の元横綱・白鵬「師匠復帰はイバラの道」求心力に疑問符
元横綱・白鵬の宮城野親方(39)が春場所の会場『エディオンアリーナ大阪』から出てきたのは、大半の力士や親方衆が帰った後だった。3月10日、初日のこと。時刻は夜7時を大きくまわっていた。 【未掲載写真】高級バッグをもって春場所の会場を後にする 白鵬の姿が…! 「元気がなさそうでしたね。大勢のファンが駆け寄りましたが白鵬が対応することはなく、無言で迎えの車に乗り込んでいました。騒動については報道陣に対しても無口です。宮城野部屋が所属する伊勢ケ濱一門の親方衆から、取材を受けないよう注意されているのでしょう。部屋に正式な処分が下るまで白鵬は『まな板の鯉』ですよ」(スポーツ紙担当記者) 宮城野部屋で起きた騒動――。日本相撲協会が2月23日に引退届を受理した、北青鵬(ほくせいほう)(22)による暴行事件だ。相撲協会から報道陣へ配られた文書には、苛烈な暴力の内容が記されている。 〈顔面、背中及び睾丸(こうがん)への平手打ち〉 〈まわしで作った丸太様の棒で臀部(でんぶ)を打つ暴行、殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎をAやB(編集部注:被害者)の体へ近付ける〉……。 事件は、相撲協会の公式Xへの告発で発覚した。 「北青鵬から暴力を受けたのは、弟弟子AとBの二人です。暴行は’22年7月から昨年11月の1年以上に及んだとか。昨年11月の九州場所中には、Aの財布に瞬間接着剤を塗り損壊。Bの右手の指にも瞬間接着剤を付け暴行を加えたそうです。暴力は日常的で、週に2~3回の頻度で繰り返されていました」(同前) 師匠・白鵬の態度も問題視された。 「北青鵬の暴行を認識しながら、厳しい指導を怠っていたんです。相撲協会へもきちんと報告していなかった。東前頭8枚目だった北青鵬が今年1月の初場所を途中休場した際には、事件に触れず『右ヒザの状態が悪化した』としていました。虚偽報告や隠蔽(いんぺい)の疑いがかけられても仕方ないでしょう」(相撲協会関係者) 親方としての指導責任を問われた白鵬は厳しい処分を受ける。平年寄へ2階級降格し3ヵ月の報酬20%カット。さらに宮城野部屋は、春場所後に無期限で閉鎖される見通しなのだ。 「師匠から外された白鵬は今後、理事長直轄の『社会貢献部』に所属する可能性が高い。文字通り社会貢献を目的とした部署です。本場所が行われる会場や最寄り駅周辺のゴミ拾い、幼稚園・小学校訪問などを行います。場所中には会場警備をし、売店の店頭に立って売り子をすることもあるんです」(同前) 史上最多45回の幕内優勝、通算1187勝を誇る白鵬にとっては、慣れない仕事だろう。師匠に復帰するには、イバラの道を歩むことになりそうだ。 「不祥事で部屋が一門の預かりとなった後、師匠に復帰した例は過去にもあるにはあります。’10年5月に、反社会的人物にチケットを渡していたことが発覚した木瀬親方(元前頭・肥後ノ海)です。木瀬部屋は所属する出羽海一門の預かりとなりましたが、2年後の’12年4月に部屋は再開し木瀬親方も師匠に戻りました。しかし大横綱だった白鵬にはプライドがあるでしょう。数年間の『下積み生活』をガマンできるかどうか……」(前出・記者) 元相撲協会外部委員で漫画家の、やくみつる氏が話す。 「事件を起こした弟子を庇(かば)いたかったのかもしれませんが結果は台無しです。自分のしたことの何が悪かったのか、自己弁護せず深く考えるべきでしょう。そうしないとファンの理解は得られません」 雌伏(しふく)の時を経て部屋を再興できるか。すべては白鵬の態度次第だ。 『FRIDAY』2024年3月29日号より
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