マカオの高齢者狙った特殊詐欺事案に関与の香港人の男3人逮捕
マカオ司法警察局は8月20日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして香港人の男3人(20~30代)を逮捕したと発表。 同局によれば、同月19日午後、マカオの高齢者女性から電話詐欺の被害に遭ったとする通報が寄せられたとのこと。同日朝、被害者宅の固定電話に”娘婿”を名乗る人物から電話があり、相手は飲酒運転の保釈金として現金が必要で、他言せず現金を用立ててほしいと話し、これを信じて銀行へ行き10万香港ドル(日本円換算:約187万円)と5万マカオパタカ(約91万円)の現金を引き出し、マカオ半島中区の自宅近くまで受け取りに来た”弁護士アシスタント”名乗る男に全額を渡したが、その後しばらくして疑念が生じ、本物の娘婿に連絡をしたところ詐欺被害に遭ったことに気づき、同局へ通報するに至ったという。 通報を受けた同局が調査を進め、現金を受け取った男(A)とともに、近くにいた仲間とみられる男2人(BとC)の身元を特定した上、追跡に着手。Aは被害者から現金を受け取った後、Cが見張り役をする中でBへ手渡し、Bは受け取った現金を持って香港へ向かったが、同日午後にマカオへ戻り、マカオ半島新口岸ホテルで3人が再合流したことから、機が熟したとして3人まとめて逮捕に成功したとのこと。 その後の調べで、3人は香港の電話詐欺グループの指示を受けて動いており、Bがまとめ役だったこと、それぞれ組織から3000~5000香港ドル(約5万6000~9万3000円)の報酬で詐欺に加担していたがわかったという。同局では、上述の3人を相当巨額詐欺及び組織犯罪の罪で検察院送致するとともに、詐取した現金の行方や他の被害者の有無について捜査を継続するとした。 マカオでは今年(2024年)5月以降、香港の犯罪組織が関与したとみられる電話詐欺事案が相次ぎ発生しており、同局は電話詐欺に関する累次の注意喚起情報を発出している。