裏金は「言われた通りにやっただけ」…丸川珠代と「夫婦で不記載」大塚拓前議員“無反省挨拶”の中身
投開票日が迫り、各候補の戦いはいよいよ激しさが増してきた。今回の総選挙で注目が集まるのは自民党「裏金」候補の当落だが、その中で目立っているのが丸川珠代、大塚拓の両候補だ。この夫婦、揃って「裏金」に関与し、比例で重複立候補が出来ない「背水の陣」。しかも夫の大塚候補は選挙前には後援者に対し、石破総理や岸田前総理について辛辣に批判していたのである。 【写真10枚】「2人で1800万円以上の不記載って…」夫婦ともに戒告処分を受けた、“丸川珠代”夫とのツーショット写真 仲睦まじく手をつなぐ様子も ***
大塚候補は1973年生まれの51歳。老舗靴メーカー・大塚製靴の創業家に生まれ、慶応大学を卒業後、東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)勤務を経て、2005年の衆議院選挙で初当選し、現在5期。財務副大臣を務めた経験もある。地元は埼玉9区(狭山市、入間市、飯能市など)だ。2008年に丸川候補と結婚し、一男を設けている。安倍派に所属し、パーティー券に関わる5年間での政治資金収支報告の不記載額は994万円。戒告処分を受け、今選挙では比例に重複立候補することを認められなかった。 地元関係者は言う。 「厳しい選挙を強いられています。裏金のイメージがありますから、先日、地元市長選の出陣式があった際も、呼ばれて参加してはいたものの、紹介もしてもらえなかった。ポツネンと1人立ち、主催者の方を睨みつけていました」 もともと大塚候補は、地元活動に熱心ではなかったという。 「たまに来たとしても、偉そうにしていることが多い。ただ、選挙になると奥さんを連れてきて握手をさせたり、一緒に写真を撮らせたりするんです。有名人と触れ合えて喜ぶ有権者は一定数いますからね」 しかし、今回は、妻の丸川氏も衆院転出を目論み、東京7区から立候補している。彼女自身も「裏金」候補で、苦戦を強いられているから、とても応援に来る余裕はないだろうし、来てもむしろ逆効果。大塚氏を巡る状況は厳しい。
岸田さんヤバすぎる
そんな大塚候補の、裏金問題への“本音”をよく示す音声がある。大塚氏は7月30日、選挙区内にある埼玉県毛呂山町の、さる商店街組合の総会の場で挨拶に立った。 「この時、裏金問題について、無反省と聞こえる発言をしたり、石破総理や岸田前総理に対して辛辣な発言を行ったりした。これには眉を顰めた人も多く、地元では話題になりました」 当時はまだ岸田前総理が9月の総裁選に出馬するか否かがわかっていなかった時期である。大塚氏は天候、物価高、トランプとハリスの経済政策など、取り止めのない話題を続けた後、総裁選の話に移り、岸田首相(当時)の党内での立ち位置についてこう述べている。 〈もう岸田さん、ダメだな、ヤバすぎるというのは共通の思いでありまして…〉 なぜかと言えば、 〈岸田さんは(党内の議論の手続きを)完全に無視するんですね。意見が割れそうな時に会議に付さない。会議でちょっと異論が出始めたら会議、パパッとやめさせちゃって、で、裏でこれをちょっと決めちゃうっていう感じです。そもそも意見を聞く前に勝手に総理がパラッと会見で言っちゃうとかですね〉 〈(岸田総理を)ダメだと思いつつ、でも何とか支えて帳尻合わせるにはどうすりゃいいかということでみんな知恵を使っていたわけですけれども、もう決定的にこれダメだなって思ったのは政治資金問題で、私も正直、相当やられたたちだと思うんですけれども…〉 ここから自らの「裏金」問題についての弁解が始まるのである。