コロナ融資制度を巡る詐欺で懲役10年が確定…!元「美人すぎる寝屋川市議」吉羽美華が拘置所で明かした「控訴断念」の意外すぎる理由
検察が指摘した吉羽の「うそ」
吉羽の罪は、独立行政法人「福祉医療機構(WAM)」の新型コロナウイルス対策に絡む融資制度を巡り、約3億円を騙し取ったというもの。この融資制度はWAMが'20年2月に始めたもので、コロナ禍で利用者が減るなどした医療機関や福祉施設が、減収の程度によって一定額まで無担保・無利子で融資を受けられる。同制度の'22年3月までの融資実績は約3万9000件で融資総額は約1兆9812億円だった。 緊急性を優先して審査体制が甘くなっており、「そこを突いた犯罪が起きる」と指摘されていた。その初めての摘発が吉羽らで、福岡県警は'22年8月1日、大阪府堺市の福祉施設に対する詐欺容疑で逮捕し、同月22日に福岡県久留米市の医療法人に対する詐欺容疑で再逮捕した。 検察側は今年7月19日の論告求刑で、吉羽が共犯者とともに、最初の逮捕案件では〈融資金の約半額の金銭をWAM側に戻せば、融資金を返済しなくとも民事責任を追及されない旨のうそを言い5940万円を詐取し〉、再逮捕案件でも〈自身を介せば特別にコロナ融資を受けることができるうえ、融資金の約4割の金銭をWAM側に戻せば、その返済を免れる旨のうそを言い、合計2億3200万円を詐取した〉と指摘した。 この犯罪の特徴は、バックされる金額の大きさだ。融資金の4~5割のカネをバックさせれば、残額の返済は不要という仕組みなどあるハズがない。それを被害者にどのような手口で「ある」と信じさせたのか。
「主犯」は誰なのか
検察は、そこで利用したのが吉羽の「現職の市議会議員」という肩書だという。 吉羽は自分も騙されていたと主張したものの、裁判官は判決のなかで、「被告や共犯者が行った説明は不合理にとどまらず相当にうさんくさい」「社会経験や政治経験のある被告が、うのみにしていたとは到底考えがたい」と、真っ向から否定した。 2つの事件は主犯を吉羽としており、そうした事件構図なら「自分も騙された」という吉羽の主張は通りにくい。だが、WAMに主犯がいてその人物が構図を描いたなら、事件はまったく別の様相を見せる。 筆者がこの事件にひっかかりを感じていたのはそこだった。実は、福岡県警と同時期に警視庁が別のWAM事件を捜査していたのである。筆者はその事件を取材しており、それが判決前に表面化した。 後編記事『【独自】「美人すぎる市議」が3億円詐欺で懲役10年…!吉羽美華が拘置所から「私も騙されていた」と主張し続けた驚きの相手』へ続く。 「週刊現代」2024年12月7・14日合併号より
週刊現代、伊藤 博敏