車の前に立ちはだかった妻を…

77歳の中村容疑者はなぜ凶行におよんでしまったのか

「高齢の女性が血を流して路上に倒れている。意識がないようだ」 そんな通行人からの119番通報があったのは12月27日の午前５時半ごろ。現場は江戸川区内の路上で、倒れていた70代ぐらいの女性は病院に搬送されたが、死亡が確認されたという。 【戦慄】すごい…77歳の妻を車でひいて殺してしまった老人の驚きの素顔 警視庁は周辺の防犯カメラの映像などから、女性が車にひかれたとみて逃走した車の行方を捜索していたところ、同日午後１時すぎに船橋市内で車を発見。運転していた江戸川区の無職・中村則夫容疑者（77）の身柄を確保し、28日までに殺人の容疑で逮捕した。死亡した女性は中村容疑者の妻・明子さん（77）だった。 「警視庁の調べによると、中村容疑者と明子さんは現場近くで二人暮らしをしていました。中村容疑者は『妻から浮気を疑われて痴話げんかになった。むかついて興奮していたので車でひいて踏み殺した』と、犯行を認めているようです。明子さんとけんかになったあと頭を冷やそうと、自宅から数十ｍ離れた駐車場へ行き車を走らせようとしたところ、明子さんが車の前に立ちはだかったのだそうです」（全国紙社会部記者） 犯行の一部始終は防犯カメラにとらえられていた。 まだ薄暗い早朝の駐車場でライトを照らしながら急発進する白い小型乗用車。すると、２ｍほど先で見ていた女性が通り過ぎようとする車に追いすがるようにして、その前に立ちはだかった。 女性はボンネットに体を預けるように車を止めようとする。乗用車はその剣幕に押されたかのように一旦停止したのだが、次の瞬間……。わずか５秒ほどの出来事だった。 事件は一瞬だけ頭に血がのぼってしまったことが生んだ過ちなのかもしれない。だが、夫婦間の問題に詳しいライターは、「高齢の夫婦ほど、相手を許せなくなるケースは多い」という。 「熟年になると新婚の頃には許せた相手の言動が許せなくなる、というのはよく聞く話ですが、さらに高齢になると、理性的な部分での抑制が効かなくなってその人本来の性格が強く出てきます。 とくに自分を守るために何かにつけ相手を否定するという傾向はよくあって、否定された相手は鬱憤を溜めることになる。さらに二人暮らしだと閉塞感も相まって相手への不満がくすぶり続けることにもなります。DVの相談に占めるシニア世代の相談件数は決して少なくありません」 今回の事件も日頃から相手への不満が募っていたことから生まれた悲劇だったのだろうか。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム：https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X：https://x.com/FRIDAY_twit