“大卒1年前倒し”鳥栖ルーキー日野翔太は残留争いの死闘経て成長へ「ここからあと5試合で何ができるか」
[10.5 J1第33節 FC東京 1-1 鳥栖 味スタ] ルーキーはピッチ上で気を吐き続けた。サガン鳥栖FW日野翔太は4試合連続でリーグ戦先発。残留争いのさなかで存在感を放った。 【写真】Jリーグ歴代最強の助っ人…元浦和エメルソン氏の現在の姿に反響「うおお」「随分…」 「ダービーへの気合いですね」と前節・アビスパ福岡戦から髪を金髪に染め上げた。2トップの一角で攻守に奮闘。今節は復帰したFWマルセロ・ヒアンと連動した。「(ヒアンが)前を向いて縦に行ってくれるので、自分はゴール前にいるところだったり、収めているときは近くにいる。そういうところを意識した」。復活したエースの周りで動き、ゴールを狙った。 前半30分にはPA右手前で巧みなポジショニング。MF西矢健人からのパスをフリーで受けると、反転から右足シュートを放った。惜しくもブロックに遭ったが、その後も敵陣付近でチャンスメークを続けた。「やれているところはボールを受けるところ。そこから前へのスルーパス」(日野)。出場機会とともに手応えを掴みながらも、まだ結果を出せていないことを課題に挙げた。 「自分のポジションは結果が必要。そこは意識しつつ、求められているタスクのところは高水準でできるように。そこは毎日の練習でもっとレベルアップしていかないといけない。そこは向上心を持ってやりたい」 ゴール付近で顔を出すプレーが目立ったが、自身では「前にスプリントして自分が点を決めるところはもっと上げていかないと、求めている結果は出てこない」と厳しい自己採点を下していた。 昨年5月18日、日野は拓殖大3年次に2025シーズンでの鳥栖加入が発表された。6日後のルヴァンカップでは特別指定選手として途中出場でさっそく公式戦デビューを飾る。プロの舞台を経験すると「やっぱり早くこの舞台でやりたい」と1年前倒しでのプロ入りを決断。24シーズンからキャリアをスタートさせた。 ルーキーながら夏以降から先発入りが増加。残留争いに苦しむチームで奮闘を続ける。今節では11試合ぶりにFWヴィキンタス・スリヴカのゴールで先制に成功。だが、同点に追いつかれて11試合ぶりの白星はお預けになった。 「1-0で守り切るのも大事だけど、あと1点、2点取ってというところ」。そう語る日野はシーズン終盤での決意を新たにする。「まだ点も取っていない。満足できるような結果も出ていない。ここからあと5試合で何ができるか」。残留を懸けた死闘のなかで、さらなる成長を示すつもりだ。