「結婚式より家を買うお金を貯めたい」地方出身カップルが結婚式を決断した「超節約プラン」
「結婚式よりも、マイホーム購入」
当初、賢治さんと美乃里さんは結婚式を挙げるつもりはなかったそうです。 「結婚式よりも、マイホーム購入のためにお金を貯めたい」 将来のことを考えると、結婚式は贅沢なのではないかという思いがあったと言います。 そんなおふたりの考え方が変わったのは、共通の友人の結婚式に参列したことがきっかけでした。 新郎新婦の幸せそうな姿と、何よりそんなふたりを見つめながら感動しているご家族の姿にじーんと来てしまったのだそう。「自分たちも結婚式を挙げたい」という気持ちが芽生えたのだと言います。 しかし、いざ結婚式を挙げるとなると、何から始めればいいのかわからない。 結婚情報誌を見ると、どの式場も華やかすぎる気がして、自分たちに合った式場が選べず、悩んでいました。 「一体、どうやって式場を選べばいいんだろう……」 そんな漠然とした不安を抱えながら、おふたりは相談会に参加してくれました。 初めてお会いした時のおふたりは、少し緊張した面持ちで、お互いに顔を見合わせて確認しながら、控えめに話していました。
両家の家族は結婚式で初めて会う
「ところで、おふたりが結婚式を挙げる理由を伺っても良いですか?」 そう私が問いかけると、おふたりは少し考えたあとでこう言いました。 「家族に幸せな姿を見せて、安心してもらいたいから」。 賢治さんも美乃里さんも、進学のため高校卒業後に上京されています。 ご家族のもとを離れて約10年。東京で充実した日々を送っていることを、結婚式を通してご家族に知って欲しかったようです。 それならば、ここからが私の仕事。どんな結婚式を望んでいるのか、詳しく聞きました。 • 親族中心の少人数ウエディングを希望 • 派手な演出や悪目立ちするようなことはしたくない • ドレスは着たいけど、お色直しは必要ない • お互い地方出身で、両家の顔合わせがまだできていない • 結婚式を通して、両家の親睦を深めたい • 家族や親族には東京観光も楽しんで欲しい だんだんとおふたりの結婚式に対する想いや希望が見えてきました。 「スケジュールや距離の問題があって、両家の家族は結婚式で初めて会う事になると思うんです。だからこそ緊張しすぎない雰囲気にしたいし、家族にとっても良い時間になってくれたらなって」 私は、おふたりの希望を叶えるために、「家族の時間」をテーマにした式場選びを提案しました。 結婚式は言うまでも無く、特別なセレモニーですが、新郎新婦が希望しないのであれば無理に「キラキラした非日常の世界」を追い求める必要はありません。あくまでも「日常の延長線上にある一日」として、おふたりにも、そしておふたりの家族にも、過度にプレッシャーを感じることなく、等身大で楽しんでもらいたい。 私自身はそう考えています。 そして、こんな提案をしてみました。 「賢治さん、美乃里さん。スイートルームで結婚式、してみませんか?」