自衛隊との連携強化に期待「次の段階へ」 オーストラリア国防省高官
オーストラリア国防省のヒュー・ジェフリー副次官(戦略・政策・産業担当)が来日し、毎日新聞の取材に応じた。「悪化する世界の安全保障情勢に照らして、防衛協力のレベルを次の段階に進めることが重要だ」と述べ、自衛隊と豪軍の連携強化に期待を示した。 日豪両政府は9月、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)をメルボルン近郊で開いた。共同声明では、自衛隊と豪軍の共同訓練の拡大や、中国の軍事活動が活発化する中、インド太平洋地域における「共同の抑止力構築」などを明記した。 ジェフリー副次官は、2プラス2を踏まえ「実用的で効果的な協力関係を目指す」と述べ、共同訓練の推進や米国を交えた3カ国による作戦遂行能力の向上などに意欲を示した。 南シナ海などでの領有権を巡る問題については「すべての国々が国際法を順守すべきである」と強調。「こうした緊張が紛争に発展しないようにすることが重要な目標だ」と述べた。 また、「戦争の勃発は抑止の失敗だ」とも述べ、日豪が米国とも連携しながら抑止力を強化し、インド太平洋地域の安定を図るべきだとした。【松本紫帆】