「石の芸術」カレンダーに ロックバランシング達人、熊本市の佐藤さん 入魂12作品の写真収める
さまざまな大きさや形の石を絶妙なバランスで積み上げる「ロックバランシング」。熊本市東区の佐藤清貴さん(62)は、これまで約4000点を作るほどの達人で、インスタグラムで「石の芸術」の魅力を発信している。このたび、入魂12作品の写真を収めたカレンダーを作った。 くぼみなどを利用し、小さな接点で石が積み上がる不思議さと妙技に魅了され、4年前から始めた佐藤さん。毎日のように石積みに没頭し、石選びや重心の取り方のこつをつかんだ。「無理かな、と思っていた石が立ったときは、言い表せないほどの快感です」 完成後は風で崩れてしまわないよう、すかさずスマートフォンのカメラで、美しく見える角度を探りながら撮影。鳥が止まって崩れたり、ギャラリーにわざと壊してもらったりと、「作り、壊すまでがアート」と動画にも収める。事故防止のために、使った石は持ち帰るという。 インスタグラムには「さとぴょん」の名前で投稿。「接着剤も使わず、すごい」「ブラボー」と国内外から反響が高まるにつれ、「映える」ロケーションや季節感、時間帯にこだわった画像をアップしてきた。
朝日差す菊池渓谷(菊池市)、夕景の長部田海床路[ながべたかいしょうろ](宇土市)、ひまわり畑(宇城市)などの名所で撮影した作品のほか、離着陸する旅客機や打ち上げ花火も作品の「引き立て役」として写し込んだ。 今回、初めて卓上型のカレンダーを自費制作し、1部千円(税込み)で販売している。「どれもいとおしくて、悩みに悩み抜いた」中から、12作品を月ごとに掲載。最初の10部はすぐ完売、60部を急きょ増刷した。 「将来は写真集も出したい。来年も石積み行脚を続けます」と佐藤さん。達人の飽くなき挑戦は続く。(小野宏明)