関西人はサッカーでも"ノリ"が良い?INAC神戸越智氏が語る、関西人がサッカーに向いている説
明るく楽しく練習に取り組む京都精華学園高校女子サッカー部。全国3位という躍進の原動力となったのは、「サッカーを好きになり、うまくなりたいという気持ちを引き出す」指導である。2021年度まで同校を率い、現在はINAC神戸レオネッサでアカデミー統括部長を務める越智健一郎が語る「サッカーに必要なメンタル」。今回は、サッカーの世界で成功した選手が多い関西人について述べる。 ※本記事はサッカー指導者向け専門誌『サッカークリニック』2024年12月号から転載 【写真】東日本・西日本プレーヤーの特徴の違い、個性に目をつけた越智氏。これも鋭い観察力、選手との対話からわかるものなのかもしれない(Photo:INAC神戸レオネッサ) 取材・構成/鈴木智之
|「大阪の人は、海外のノリですね」
今回のテーマは、サッカーに必要な「関西のノリ」です。 少し前の日本代表には、本田圭佑、岡崎慎司、香川真司(セレッソ大阪)、乾貴士(清水エスパルス)、宇佐美貴史(ガンバ大阪)など、関西出身のアタッカーが多くいました。現在の森保ジャパンでは、堂安律(フライブルク=ドイツ)、南野拓実(モナコ=フランス)、鎌田大地(クリスタルパレス=イングランド)らが、独特の個性で攻撃を牽引しています。 ちなみに、今年9月に行なわれた総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントで優勝したのは阪南大学でした。また、昨年度の全日本大学サッカー選手権大会では京都産業大学が準優勝。大学サッカーと言えば、関東優位のイメージが強かったのですが、近年は関西の巻き返しが目立っています。 昨今の主要大会は、グループリーグを勝ち抜いたチームが決勝トーナメントで優勝を争う形式が大半です。一発勝負のトーナメントを勝ち抜くには、実力に加え、勢いが不可欠。格上相手でも、「やったるぞ」という関西特有の負けん気やノリが状況を有利に働かせる気がします。 そもそも、関西人がサッカーに向いているという説が、根強くあります。私の知人で、ヨーロッパのサッカーに携わったことがあるコーチは、「大阪の人は、海外のノリですね」と言っていました。初対面の人に対しても、積極的に話しかけてコミュニケーションをとったり、感情をしっかりと表現したりする人が多いところが、海外の人たちと似ているそうです。 私は、愛知県出身で、東京の大学に通い、その後、京都にやってきました。関西に来て25年。人生の半分を過ごしています。関西は、京都、大阪、滋賀、奈良、和歌山、兵庫の2府4県ですが、それぞれの地域に府民性や県民性があります。
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