【闘病】発熱の正体は「ベーチェット病」だった “命に関わる”特殊型とは?
ステロイド治療が効果的に働く
編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 籠谷さん: ステロイドを服用する治療を始めると説明を受けました。ステロイドはとても広く効果があり、色んな病気にも使われる薬ですが、その分副作用も多いので不安でしたが、主治医に言われるまま、ステロイド治療を開始しました。 編集部: ステロイドの効果はありましたか? 籠谷さん: はい。ステロイドを服用してみると、悩まされていた高熱や関節痛がなくなり、発疹もすぐにきれいになくなりました。 その後も月に1回は定期受診しながら、初めは1日に20mg服用していたステロイドを5mgずつ減量して、症状が落ち着いた頃に、コルヒチンの内服が始まりました。 編集部: 毎月の受診で様子を診ていくのですね? 籠谷さん: はい。主治医からは「この病気は見通しを立てるのが非常に難しい。病気の出方を見ながら、それに合わせた治療法を考えるしかない」と言われています。 また、私の場合、発症時の症状が地味だったので、将来的に特殊型になりやすい傾向にあるとも言われました。特殊型になってしまった場合には、それ相応の治療をしなければ命に関わる可能性もある、と言われたのを覚えています。 編集部: 先述の特殊型には移行したのでしょうか? 籠谷さん: はい。その後、特殊型の「腸管型ベーチェット病」になりました。発症から約3年後の事でした。腹痛と下血を繰り返したことから、その診断を受けました。 下血していたので緊急入院となり、その後の大腸カメラで小腸と大腸の繋ぎ目の回盲部に潰瘍が見られ、そこからの出血であったことが確認できました。 編集部: 腸管型ベーチェット病と診断された時の説明内容は? 籠谷さん: これからは一生ステロイドと付き合いながら生活をしなくてはならないと説明されました。腸管の潰瘍の状態を診てステロイドを増減しながら、補助的にほかの薬剤も試して効果のある薬を探すとの事でしたが、そこからが長い旅路の始まりでした。 入院しながら、様々な生物学的製剤や免疫抑制剤、抗リウマチ薬を手当たり次第試しましたが、あまり合う薬に出会う事はできていません。 編集部: 入院中の治療の内容を教えてください。 籠谷さん: 入院生活中は、大量のステロイド治療が主で、口から60mgを服用する時と、潰瘍や採血の数値が悪い時にはステロイドパルス療法を行いました。 ベーチェット病は膠原病とは違う「自己炎症性疾患」という炎症性の病気なので、クローン病や潰瘍性大腸炎、関節リウマチと似たような治療となります。自己炎症性疾患に効果のある薬剤を、たくさん試しました。