「1灯だけで照らすのは光が強すぎ」北欧ブランドの注目デザイナーが教える賢い照明術
1903年にコペンハーゲンで創業した照明ブランド、リーファ。デンマーク最古の照明を扱う会社として誕生し、1940年代にはフィン・ユールやベント・カールビー、ヨーン・ウッツォンなど数々の名だたるデザイナーと協業を行ってきました。1998年に買収されましたが、2020年にブランドが復刻。膨大な数のアーカイブのなかから名作を復刻させているとと共に、現代のデザイナーともコラボレートし、新たな照明を生み出しています。 【写真集】北欧の照明で温かな空間づくり。注目デザイナーが教える賢い照明術 そんなリーファよりこの度新作「メモア」が発表されました。デザインしたのは、デザインデュオ・ガムフラテージ。イタリア人のエンリコ・フラテージとデンマーク人のスティーネ・ガムによるデザインスタジオで、イタリアとデンマークの要素を個性豊かにデザインへ昇華。さまざまな世界的なブランドと協業を行っています。
「メモア」のバリエーションは13種類。5灯タイプのペンダントから、3灯のシーリング、2灯タイプのウォールなど多様な用途に対応しています。モジュールはブラスを中心に、ブラックタイプがあるものも。水滴のような柔らかなガラスのフォルムは、多灯吊りするとより華やかなシャンデリアを連想させます。 コペンハーゲンとミラノに家があり、それぞれの家でも自身がデザインした照明を使っているというエンリコ。彼に、北欧流の賢い照明の使い方を教えてもらいました。
照明は複数個置く
「デンマークでは、小さなランプを複数使うのが一般的です。私のコペンハーゲンの家には20個ほど照明があるのですが、まず家に帰ると、一つひとつ照明の電源を入れていく作業が始まります。必要なところだけ灯すのです。 また、デンマークで特徴的な照明の使い方は、窓辺にテーブルランプを置いて夜の間ずっとつけておくこと。冬が長いデンマークでは、夜道を歩くと家々が窓辺に照明を置いているので、街灯がなくても家の光に照らされてとても温かな気持ちで道を歩くことができます。街灯が多い東京などの都市ではあまりなじみのない使い方かもしれませんね」