「あぁ、この子は本気なんだ」“キティ屋さん”になりたかった平野美宇の夢がオリンピックに変わった日…母・真理子さんが感じた「娘の覚悟」
三姉妹が歩むそれぞれの道
――卓球で突出した姉を持つ次女の世和さんは美宇さんの2歳下。三女の亜子さんも世和さんの2歳下です。年齢が近い女の子となればコンプレックスを抱くこともありそうですが、お嬢さん一人ひとりとどう向き合ってきたのでしょう? その質問、よく受けますが、私にはよく分かりません。確かに競技レベルという点で美宇はすごくて、家族みんなが尊敬していますけど、世和にも亜子にもそれぞれすごいところがあるし、私が美宇を可愛いと思う気持ちと世和を可愛いと思う気持ち、亜子を可愛いと思う気持ちは全く同じで比べられません。ただ物理的にかけた時間は違って、特に美宇が小学生の頃は美宇にかける時間が長かったです。亜子も発達障害があってコミュニケーションが苦手なので、亜子にかかる時間も多かったですよね。そうなると一番時間が短いのは世和。きっと寂しい気持ちはあったと思いますが、世和と一緒の時は私の100%を注ぐようにしてきたつもりです。 ――多かれ少なかれ、三姉妹の真ん中はそうなりがちですよね。 そうかもしれませんね。そのおかげと言っては何ですが、次女は姉妹の中、いや家族の中で一番のしっかり者に育ちました。そうそう今年1月、家族で温泉旅行に行った先で世和が「私がこんなにしっかりした人間になったのは、ママが2人にかかりっきりになることが多くて、自分一人でやらないといけないことがたくさんあったからだと思う。美宇と亜子に感謝だ」と言って、家族全員、大笑いになりました。 ――世和さんも高校までは卓球をしていて、全日本選手権に出場するほどの腕前でしたが引退されました。 「卓球はあくまでも趣味。勉強するとか、大好きなテレビドラマを観るとか、お料理をするとか、そういう日常の中で卓球も頑張る」と小学4年生くらいの時に宣言していました。三女もそうですね。大好きな英語を頑張るために大学に進学しましたから、美宇が卓球にかけた時間と、世和と亜子が卓球にかけた時間は全然違います。でも、限られた時間の中で精一杯やるというのは共通していて、それが親である私のモットーでもあります。 《インタビュー後編に続く》 (撮影=山元茂樹)
(「卓球PRESS」高樹ミナ = 文)
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