〔東京外為〕ドル、154円台半ば=調整売りや日本株安で急落(18日午後5時)
18日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、植田日銀総裁の名古屋での講演後に急伸する場面があったが、調整売りや日経平均の大幅安を受けたリスクオフのドル売り・円買いなどを背景に1ドル=154円台半ばに急落した。午後5時現在は、1ドル=154円55~55銭と前日(午後5時、155円75~78銭)比1円20銭の大幅ドル安・円高。 午前は、日経平均株価の下落を受けたリスク回避のドル売り・円買いなどで153円80銭台に下落。午前10時すぎに植田総裁の講演内容が公表されると「思ったよりタカ派的ではなかった」(外為仲介業者)ため買い戻され、155円10銭台に反発した。買い一巡後は、154円70銭台で推移した。午後は、植田総裁の会見を前に「思惑的な売りが出た」(国内銀行)とされ、154円30銭台に軟化。午後2時前から会見中に154円70銭台に浮上したが、日経平均の下落を受けたリスク回避のドル売りで154円30銭前後に下落する場面も見られた。 前週末の米国序盤は強めの米指標を受けて155円70銭台に上昇した。その後は米金利の低下を受けた売りで153円80銭台に急落したが、終盤は154円台に持ち直した。18日午前には、「(植田総裁の)タカ派発言を警戒していた参加者がドルを買い戻した」(先の外為仲介業者)。市場では午後の会見を含め「10月の日銀会合の発言と何も変わったことがなかった」(先の国内銀行)と受け止めており、「海外時間に総裁発言を材料視した買いが入る可能性はあるが、基本的には方向感が出づらい」(同)という。 ユーロは対円で大幅下落、対ドルで下落。午後5時現在、1ユーロ=163円00~01銭(前日午後5時、164円43~45銭)、対ドルでは1.0547~0548ドル(同1.0556~0556ドル)。