M-1王者・令和ロマン高比良くるまさんは、なぜ「分析」が得意に? 子ども時代に受けた影響
勝つためには、努力や根性じゃなくて「戦術」しかなかった
――読書をされないというのは少し意外です。くるまさんと言えば「分析」のイメージが強いですが、その分析力はどのように養われたのでしょう。 『アイシールド21』というアメフト漫画の影響が大きいです。登場人物に蛭魔妖一というキャラクターがいるんですけど、勝つためにいろんな戦術を駆使するんですよ。その勝負がかっこいいなって、子どもの頃にすごく感銘を受けました。 蛭魔は与えられたカードの中だけで戦略的に勝負するんですけど、僕もそれをやりたくて、その意識をずっと持ちながら生きてて。中学、高校とラグビーをやっていて、母校はスポーツ推薦のない学校だったんですけど、いかにしてスポーツ推薦のある強豪校を倒すかっていうのをひたすら考えていました。体格差がある人たちと戦うときはやっぱり考えないと勝てないんで。そうした戦略を立てる必要のある環境に身を置けたのもでかいですね。 あとは、学年ビリの学力だった僕が、どうやったらみんなと一緒に慶応や早稲田に入れるか。それはもう努力とか根性じゃなくて戦術しかないんで、勝つには。素質がなかったから常に勝負するしかないんで。結果的にそれが分析力として身についていった感じですかね。 ――『アイシールド21』が部活動にも、受験にも大きな影響を与えたんですね。 あとは実在する人物で言えば、島田紳助さんは好きでしたね。喋りのうまいお笑いがすべてを制することを体現している方だと思います。 子どもの頃、はじめはなんで親が紳助さんの話に納得しているのかがわかんなかったんです。テレビを観ながら「やっぱいいこと言うな~」とか言ってて。 それで行列※とかをずっと観ていたら、みんなの前に立って話をまとめる人って偉いんだなって気づいたんです。それで紳助さんに心酔している親を改めて観察してみて、その手があったかという感じでしたね。 「勝つためにはいっぱい喋っちゃえばいいんだ」って。 今の僕があるのはこの2つですね。蛭魔みたいに戦うことと、紳助さんみたいにいっぱい喋っちゃうこと。 ※行列のできる法律相談。日本テレビで放送中の番組。2011年までは、芸能界を引退した島田紳助さんが司会を務めていた。