スズキが開発する「水素バーグマン」 現在はどの程度の走行レベル? 市販化は?
現在の走行レベルは?
スズキは「人とくるまのテクノロジー展2024」に水素エンジン搭載の「バーグマン」(以下:水素バーグマン)を参考出品しました。 【画像】「バーグマン400 ABS」がベース! スズキが開発中の水素エンジン搭載「バーグマン」を画像で見る(17枚)
2023年10月に開催された「JAPAN MOBILITY SHOW2023」にも出店された水素バーグマンは、市販されているスクーターモデル「バーグマン400」をベースに、水素燃料に対応した燃料タンクやシステムを搭載した試験車両です。 現在では、カワサキモータース株式会社、スズキ株式会社、本田技研工業株式会社、ヤマハ発動機株式会社の4社による水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合「HySE(ハイス)」が設立されるなど、二輪車においても水素燃料に関する開発が進められていますが、水素バーグマンは現状、どのような仕上がりになっているのでしょうか。
スズキの担当者に話を伺ってみました。 ―――水素バーグマンの研究はいつぐらいから開始したのでしょうか。 具体的な年数はお答えすることができないのですが、比較的最近です。 ―――「HySE(ハイス)」が設立された2023年5月あたりでしょうか。 そうですね。その少し前くらですかね。ほぼ同時期と言っていいぐらいかもしれないですね。 ―――水素燃料はエネルギー密度がガソリンにくらべて小さいため、より大きな燃料タンクが必要になりますが、スズキのように四輪車も製造しているメーカーですと四輪での開発・研究に注力するほうがハードルが低くなるように感じられますが、なぜ二輪車でも水素の開発を行うのでしょうか。 おっしゃるように四輪の方が水素タンク搭載の自由度もありますし、ハードルは低いのかもしれませんが、私共は二輪の車両開発に携わっておりますので“二輪車としての水素エンジン”の場合にどういう可能性があるのか、という確認のための技術開発という形ですすめさせて頂いてます。
―――内燃機として見た場合に、ガソリン車と水素車では何が一番異なるのでしょうか。 一番は燃料供給の回路ですかね。気体のガスを燃料としていますので、それに適した燃料供給装置に切り替えています。 エンジン本体は市販のバーグマン400に搭載されたものを、ほぼほぼそのまま使用していますが、クランケース室内に入り込んだ未燃ガスを回収するシステムが追加されています。 また、ガソリン車同様にフューエルインジェクションを使用していますが、こちらの車両に関してはポート噴射になっております。