「なぜ私は話すことにしたのか」声震わせ涙の訴え 元検事正の性的暴行、被害女性会見詳報
「被告は重大な罪を犯したことで本来なら刑事処罰や懲戒免職を受け、法曹資格も失うべきであったところ、その罪を隠して円満に退職した。多額の退職金を得て、弁護士になり、企業のコンプライアンスなどに関わり、検察に大きな影響力を持ち続けた。私を口止めした際、『(この事件が)公にならないなら喜んで死ぬ』とまで言った。しかし、実際の行動はまるで自分の犯した罪などなかったような、被害者の存在など忘れてしまったかのような振る舞いです。苦しみにふたをして検事の仕事に没頭し、何とか生きていこうとした私の気持ちを踏みにじってきました」
「検事正だった人間がこれほどまでに罪深く、不道徳で非常識であることを誰も気付いていない。被害者を救い、犯罪者を適切に処罰し、国民の安全安心を守り抜くことが検察官である私の使命なのに、被害者である私自身は誰からも救ってもらえず、罪を犯した被告を適切に処罰できていない。その怒りや悔しさでPTSDが悪化し、心身は限界となり、休職を余儀なくされました」
「私自身を取り戻すためには私のアイデンティティーを守ることしかない。被告を適切に処罰することしかない。同じような被害者を生み出してはならないと覚悟を決め、被告の処罰を求めました」
■「退職しても訴えないか」
女性は被害申告後、特定の検察職員が捜査中に被告側に捜査情報を漏らし、女性を誹謗中傷する「二次被害」があったとして、この職員を名誉毀損罪で刑事告訴するなどしたとも明らかにした。
「速やかに適正な捜査をしていただき、適正な処罰・処分をしていただきたい。私の名誉を回復する機会にしたいと思い、この会見を開くことにしました」
続いて事件当日の経緯も説明した。
平成30年9月12日、被告や女性らは懇親会を開催。泥酔した女性が終了後にタクシーで帰宅しようとしたところ、被告は半ば強引に同乗し、被告が当時居住していた大阪市内の公務員用宿舎「官舎」へ向かった。被告は翌13日未明にかけて官舎で女性を性的暴行。意識が戻った女性が暴行をやめるよう伝えたのに、被告は聞き入れず「これでお前も俺の女だ」と発言し、行為を続けた。