羽白さん(安房高3)が会員推挙に 高校生では初の快挙 県美術展覧会(千葉県)
県内最大の美術公募展である「千葉県美術展覧会(県展)」(県美術会、県主催)の書道部門で、安房高校3年の羽白來瞳さん(館山中出身)が会員推挙に輝いた。高校生で会員となるのは初めてで、同会では「今回の活躍が、今後の高校生たちの目標となり、県展に挑戦してくれる人たちが増えるのでは」と期待を寄せている。 県内の美術家の作品を広く紹介し、県民の美意識を高め、郷土美術文化の振興などを目的に毎年開催している。▽日本画▽洋画▽彫刻▽工芸▽書道――の5部門があり、県美術会の一般会員以上の作品などと、県内在住、在勤者からの公募が寄せられる。昨年からは、応募資格を18歳以上から、中学生を除く15歳以上に引き下げ、若者たちにも門戸を広げた。 羽白さんは、昨年に続いて2度目の応募。公募の入賞者には会員資格も与えられるが、入賞にもれた作品で会員推挙の選出が行われ、その中で選ばれた。出品者の名前、年齢などの情報を伏せた状態で、大人の出品者と同等の条件で優れた作品に投票する。 同美術会の宮負丁香理事長によると、「作品の出来を見て投票した結果、高校生の作品が選ばれた。大人でも受賞は難しい」と話す。羽白さんの作品を「線質、構成がずばぬけている。古典をよく研究し、相当の練習量。高校生ではトップレベル。安房地域は書道のレベルが高いこともいい影響を与えたのでは」と評した。会員になると、無鑑査で展示されることになる。 高校生での快挙に羽白さんは、「高校生で会員になれるものではないと思っていたので、びっくりしている。書道教室や部活動で『書きたくない』と思った時もあったが、常にモチベーションを上げてくれた指導者の方々がいて、300枚以上の練習ができた。そのおかげだと思う」と、謙虚に喜ぶ。 小学2年で習字から始めた羽白さん。最低でも1時間は筆を握る毎日で、「将来は書に関わる仕事がしたい」と、大学の書道学科への進学を目指している。「今回の受賞を励みに、まだまだ夢や目標に向かって頑張りたい。大きな目標は日展への入選。人生をかけて目指していきたいです」と内に秘めた思いを語った。