『笑うマトリョーシカ』櫻井翔×青木柚&玉山鉄二×西山潤、“2人で1人”の驚くべき演技の一致
言葉の真偽を見極めることは難しい。表面的な言葉の裏に隠された本当の意味、話者の真意を捉えることは容易ではない。しかし、不思議なことに、その言葉に込められた心、真摯な感情の有無は、私たちの直感で感じ取れることがある。TBS金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』第7話では、道上(水川あさみ)と鈴木(玉山鉄二)が清家(櫻井翔)の言葉の真意を探る姿が描かれた。 【写真】街頭演説で接近する道上(水川あさみ)と清家(櫻井翔) 清家から冷酷に切り捨てられた鈴木は、自分が清家をコントロールしていたと思い込んでいたが、実は本当の黒幕は浩子(高岡早紀)だったという衝撃的な事実に直面し、気力を失ってしまう。まるで鈴木の存在など眼中にないかのような清家は、官房長官としての地位を利用して政界での影響力をさらに強化していく。新内閣は発足早々から不祥事が相次ぎ、政権の先行きが危ぶまれる中、清家は支持率の維持に貢献し、その存在感は日に日に増していった。 一方、浩子の行方を突き止めるべく奔走する道上。彼女は、今もなお変わらずに、清家の背後に潜む真の黒幕が浩子であることを確信していた。清家の人気は衰えることを知らず、その雄弁な演説は聴衆の心を掴んで離さない。ある日の街頭演説で、久しぶりに清家と対面した道上は、鈴木のことを尋ねる。すると清家は「切りたくて切ったわけじゃない」と、意外な言葉を漏らす。この言葉に、道上は清家の内面に秘められた複雑な本音の一端を垣間見たような気がしたのだった。 その後、道上は鈴木にBG株事件に関与していた可能性のある政治家たちの資料を手渡す。資料には「また浮かび上がってきてください。やられたままじゃダメですからね」という道上からの励ましのメモが添えられていた。父の無念を晴らすべく、真犯人である政治家を突き止めようと決意する鈴木。 道上の資料に目を通した鈴木は、ある自殺記事に目を止めていた。その記事は、与党ナンバー2で外務大臣を務める諸橋(矢島健一)の秘書に関するものだ。 この発見を機に、道上と鈴木は事件の真相をさらに追究すべく、すでに他界している諸橋の元秘書・中島の妻を訪ねることを決意する。中島の自宅を訪れた道上と鈴木を前に、中島の妻の言葉が、部屋に重く響き渡る。 「あれは自殺じゃありません。夫は殺されたんです」 中島はBG株事件に政治家が関与していることを示す証拠を持っていた。この言葉を聞いた道上と鈴木は、事件の核心に一歩近づいたという確信と共に、さらなる謎の深さに戸惑いを覚える。それでは、その証拠は一体どこに行ったのだろうと。 元担任の一色(東根作寿英)に、鈴木宛に何かが届いていないかを尋ねる道上。一色は当時、彼らにさまざまな便宜を図り、清家を生徒会長戦に勝たせたいと考えていた。その背景には浩子との関係があったことが明らかになる。一色の証言により、中身のカセットテープが浩子に渡されていたことが判明。重要な証拠が浩子の手中にあることを知った道上は、調査の方向性を定める。 愛南町を訪れた道上は、浩子についての情報収集に奔走する。その過程で危険な目に遭遇しながらも、道上は浩子との接触に成功。第8話で描かれるであろう、事件の謎を解く鍵を握る浩子との会話は、真相に迫る重要な転機となるだろう。 そして今回もまた、学生時代の生徒会長選が描かれたが、これほどまでに同じ時間軸の回想シーンが描かれるドラマも珍しい。特筆すべきは、学生時代と現在を演じる俳優陣の演技の驚くべき一致だ。 清家の学生時代を青木柚、鈴木の学生時代を西山潤、清家の後援会会長・佐々木光一の学生時代を濱尾ノリタカが演じており、それぞれが見事な演技を披露している。年齢の異なる2人の役者が同一人物を演じているという説得力が視聴者を魅了する中、特に注目を集めているのは、西山潤演じる若き日の鈴木だ。 玉山鉄二演じる、「現在の鈴木」が脳裏にしっかりとちらつく演技が話題となっている西山は「玉山さんの特徴的な、下から見上げるような目つきを要所要所で使いつつ、あえてそれを避ける場面も作っている」と語り(※)、その緻密な演技アプローチが高く評価されている。清家よりも鈴木の登場シーンの方が多い今、回想シーンを含めた“2人で1人”の演技によって、鈴木という人物像がより深くまで描かれているように感じる場面も多い。 道上と鈴木の最強タッグが誕生した第7話を経て、鍵を握る浩子と鈴木の“これまで”もさらに深く描かれていくのかもしれない。 参照 ※ https://www.stardust.co.jp/news/item-35223/
すなくじら