障害がある方も暮らしやすいような環境をつくりたい。「HEROs AWARD 2024」を受賞したオットーボック・ジャパンの夢
オットーボック・ジャパンは、社会貢献活動に取り組むアスリートらを表彰する「HEROs AWARD 2024」を受賞した。HEROs AWARDは日本財団がアスリートの社会貢献活動を推進する「HEROs~Sportsmanship for the future~」(以下 HEROs)プロジェクトの1つで、アスリートやスポーツに関する社会貢献活動の優れたロールモデルを年に一度表彰するイベント。2017年から毎年開かれており、過去にはプロ野球選手のソフトバンクなどで活躍した和田毅さんや、サッカー元日本代表のMF本田圭佑さん、バスケットボールBリーグの千葉ジェッツら、36 のアスリートと団体が受賞している。 オットーボック・ジャパンは、下肢切断者に走る喜びを感じてもらうことを目的とした無償のランニング教室(ランニングクリニック)の実施や今夏のパリパラリンピックで17回目となった無償の修理サービス(国籍、メーカーなどの制限なし)が評価されて受賞に至った。 そんな彼らが11月24日には神奈川・横浜市内で富士通と共催で「ランニングデー」を開催。パラリンピックの陸上男子で2大会メダリストの山本篤さん(新日本住設)と、パリパラリンピック陸上女子代表の兎澤朋美(富士通)さんがゲスト講師として出席し、下肢切断者でスポーツ義足を使用する10人の参加者に対して、走り方のコツなどをレクチャーした。 イベントにはスポーツ義足初心者からパラ陸上経験者まで、小学6年生から社会人までと幅広い年齢層の10人が参加。参加者同士の自己紹介を通じて交流を深めた後は、世界の舞台を知る山本さん、兎澤さんが、サッカーボールを使ったトレーニングや義足を効率的に使うための動きを説明した。山本さんと兎澤さんは参加者と近い距離で時には厳しく、時には優しく指導し、さらには参加者の義足の調整も手伝うなど、トップアスリートの知識や経験を惜しみなく伝授した。約4時間のイベント内では選手がこなすような本格的なプログラムもあり、参加者が汗をかきながら「これはきつい」と苦笑いを浮かべる場面もあったが、参加者同士の励まし合いなど、自然な会話や一体感を生み、参加者10人の一体感がぐっと深まった。イベント後の兎澤は「ここで会ったメンバーは何らかの縁だと思う。毎年コミュニケーションツールでグループをつくっていて、私たちも入るので、そこでいろいろと情報交換してもらうのもありだと思う。この出会いを生かしてこの先につなげてほしい」と呼びかけた。