「日本人の一番の良さ」と主将も賛辞。今予選“出番なし”だった男の鮮烈弾は1点以上の価値がある。森保Jの選手たちが自分のゴールのように喜んだ「みんなが嬉しい」【現地発】
「すごくチームがうまくいってる証拠」
[北中米W杯アジア最終予選]日本 4-0 インドネシア/11月15日/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム 【動画】ニアをぶち抜く!菅原が決めた鮮烈弾 1点以上の価値がある。そんなゴールだったのでないだろうか。 日本代表は11月15日に開催された北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第5節で、インドネシア代表と敵地ジャカルタで対戦。4-0の快勝を飾った。 この試合でダメ押し点を奪ったのが、途中出場の菅原由勢だ。62分から堂安律に代わって右ウイングバックに入ると、7分後の69分、伊東純也とのパス交換で右サイドから抜け出し、深く抉ってそのままシュート。角度のないところからニアサイドをぶち抜く、鮮やかなダメ押し点を奪ってみせた。 サウサンプトンのDFがコーナーフラッグ付近に向かうと、瀬古歩夢を先頭に、ウォームアップをしていた選手たちが駆け寄って抱きつき、苦しい時間を過ごしてきた男を祝福した。 そう、菅原はこれが今予選初出場だったのだ。今年3月まで採用していた4バックでは不動の右SBだったものの、攻撃的な3-4-2-1へのシステム変更に伴って、出番が激減。堂安律と伊東純也の後塵を拝し、プレミアリーグでレギュラーとしてプレーしながら、代表では9月、10月と続けて出番なしという悔しさを味わった。 だからこそチームメイトたちも、自分のゴールかのように喜んだのだ。 キャプテンの遠藤航は、「途中から出た選手たちが、なんとなく入るのではなくて、しっかり結果を残そうと思って入ってくるのはいいと思う。ああやって、みんなで、サブの選手のところに行って喜ぶみたいなのは、また1つ代表の良さだと思う」とこのシーンを振り返った。 「みんな悔しい思いがある中でも、ちょっとでも結果を残そうという、与えられたチャンスはしっかり活かしていきたいという思いはあるので。そこは日本人の1番の良さだと思う」 2シャドーの一角で先発した南野拓実も、「僕だけじゃなくて、チームみんなが嬉しいゴールで、全員が彼(のところ)に喜びに行ってたし。苦しい状況はみんなあると思いますけど、由勢がチームにそういう時でももたらしてくれるエネルギーとか、彼の実力を証明したんで、すごくチームがうまくいってる証拠かなと思います」と語っていた。 19日の中国戦、そして今後の戦いに向けて、結束をさらに固める一撃となった。 取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)
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