フランスに暮らす3児の母・杏が「パリにもあったらいいな」と思う日本のもの
日本に暮らしていると、その良さが当然となって気づかないことがある。6月7日からは主演した映画『かくしごと』が公開される杏さんは、現在3人の子どもたちとともにフランスを中心に暮らす。二拠点生活を始めて1年半ほど経ち、いま感じることを伺うインタビュー後編では、「2024年パリオリンピック」を前に準備が進む街の様子から、「あったらいいな」と思う日本のものについて語っていただく。 【写真】「大変なシーンも多かった」杏さん主演の最新作で大きな転機となる場面
我が家はどこでオリンピックを観戦するのか…
7月には、パリを舞台に「2024年パリオリンピック」が開催される。現在、パリの街では急ピッチで工事が進んでいるという。 「とにかく街のいろいろなところで工事をしています。果たして開会式までに終わるのだろうかと心配になりますが、なんだかんだ言いながらも最後に帳尻が合うのがフランス方式なのでしょうね。 今はまだ、街中にオリンピックを盛り上げる飾りつけなどはされていませんが、スーパーやお土産屋さんに行くとキャラクターグッズが並んでいますし、道路の整備なども進んでいます。 我が家はどこでオリンピックを観戦するか、まだ決めていません。競技が行われている会場まで観に行くのか、それとも家でテレビ観戦をするのか……。なぜなら開催中のパリがどういう空気感になるか、現段階ではわからないからです。 メトロも9月までストをやると宣言していますしね。ストは皆が一番困る時期にやることが多いですから、こればかりは仕方がない。閉まる駅や封鎖されて通れない道も出てくると思うので、様子を見ながら検討したいと思っています」
冷房のありがたさを改めて感じる夏のパリ
近頃は地球温暖化の影響で、パリの夏も暑くなっていると聞く。リアルなパリでの暮らしはどのようなものなのだろう。そして杏さんが「あったらいいな」と思うものとは? 「パリにもあったらいいなと思うのは宅配ボックスでしょうか。こちらではあったりなかったりで、ポストすらない家もあるくらいなので。あとは冷房ですね。ほとんどの建物に冷房がないため、暑い日は逃げ場がなくなります。我が家にも冷房はないので、それこそ氷のうを頭に乗せるくらいしか手立てがないのです(笑)。 パリの道路は石畳なので冷たいところは冷たいのですが、暑いところは陽が当たるととても暑くなります。夏は猛暑傾向で、暑い日だと40℃近くなることも。湿度以外はあまり日本と変わらない印象です。 対策として水風呂がありますが、暑すぎると水も出なくなるので、むしろ35℃くらいのお風呂に入って湯上りにアイスを食べるほうが涼しさを感じます。反対に冬はセントラルヒーティング(建物内の1箇所に熱源発生装置を設置し、その熱を各部屋に届ける暖房システム)が完備されているため、家の中は半袖でいられるくらい暖かく、とても快適です。 子どもたちも冷房を恋しがっていますね。あとは『日本のアイスが食べたい』『またお庭にビニールのプールを出して入りたい』とよく言っています(笑)」