転職先が「家族経営」の会社でした。事務なのに毎日「お茶くみ」「掃除」「買い出し」などの雑務ばかりで辞めたいです。「入社1ヶ月で辞める」って非常識ですか?
就職や転職で入社した先で、求人票などに記載されている業務内容や、労働契約時に示された「労働条件」と、実際の業務内容が大きく異なっていたという経験をしたことがある人もいるかもしれません。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは? 例えば、事務職として採用されたのに、入社1ヶ月間、掃除や買い出し等の業務ばかりさせられる、といった場合はどうすればよいのでしょうか。該当する労働基準法の確認と、労働者としては実際にどのような行動をしていくことが望ましいのかを、合わせて見ていきます。
契約時に「労働条件の明示」はされていたかチェックしよう
労働基準法では労働契約の締結をするときに、法定の事項について「書面の交付」により労働条件を明示すべきと定めています。 「第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。 2 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。」 この条文中の「厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない」とは、「労働基準法施行規則」第5条(4)に定められており、「法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。」とされています。 必ず紙の書面を渡す必要はなく、電子メール送信などによってもよいとされていますが、労働契約を行う際に業務内容や契約期間などの事項を明示した書面を受け取っていない場合は、企業側に労働基準法違反の疑いがあります。 労働条件を記載した書面を受け取っている場合は、内容をもう一度確認してみましょう。もし、労働条件などを記した書面の内容と実際の業務が異なっている場合は、労働者側から労働契約を解除することが認められています。 ただし、書面に記載された内容に「その他、上司の命じる業務」などの記述がある場合は、労働者が業務時間中に雑務を命じられている場合でも、ただちに違法であるとは言えないため注意しましょう。