転職先が「家族経営」の会社でした。事務なのに毎日「お茶くみ」「掃除」「買い出し」などの雑務ばかりで辞めたいです。「入社1ヶ月で辞める」って非常識ですか?
退職を決める前にまず、職場の責任者に労働基準法の順守を求めよう。
では、労働基準法を理由として採用1ヶ月で会社をやめても大丈夫なのでしょうか。 キャリアコンサルタントである筆者としては、いきなり退職を決めることはおすすめできません。どのような事情があったとしても、後日に転職をする際、履歴書に「1ヶ月で転職した」という経歴が残ってしまうことは、多くの場合でマイナス評価となるためです。 また、家族経営など小規模の事業所では特に、経営者や人事担当者が労働基準法の内容を理解しないままに労働者の採用や業務命令を行っている場合がよく見られます。そのような場合、「今企業が行っていることは労働基準法第15条に反した行為である」と経営者の方が認識すれば、現在の状況が改善される可能性も考えられます。 労働者の立場で、どのようにそれを企業側に伝えていくかというのは難しい問題になりますが、自分で通知することがためらわれるのであれば、お勤めの企業を担当している社労士の先生や、労働基準監督署に相談することから始めていくとよいでしょう。 企業側に法律の順守を求めても改善がされない場合は、退職も選択肢に入れて今後の準備をしていく必要が出てきます。その場合も決してあせらず、客観的な記録を残しておくとよいでしょう。
まとめ
労働契約時に示されるべき「労働条件」と、実際の業務内容が異なっている場合は、労働基準法に違反しているため、労働者側から即時に労働契約を解除することが可能です。 ただ、実際には企業側の認識不足でそのようなことが起きている可能性があり、違法状態である指摘をすることで状況が改善することも考えられます。退職の決断は決して急がず、労働基準監督署に相談することなどから始めることをおすすめします。 出典 e-Gov法令検索 労働基準法 e-Gov法令検索 労働基準法施行規則 茨城労働局 求人票の内容と実際の仕事が違う 執筆者:山田圭佑 FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
ファイナンシャルフィールド編集部