音のない世界で火災が起きたら…「何があるか全くわからない」聴覚障害者と防災学ぶ
京都府亀岡市に住む聴覚障害者が防災の知識を学ぶ会が2日、亀岡消防署(荒塚町1丁目)で開かれた。火災を想定して煙の中を進む体験をしたり、絵と平仮名で気持ちを伝える「コミュニケーションボード」の使い方を教わったりして、参加者約30人が非常時に備えた。 口丹聴覚障害者協会亀岡支部と市登録手話通訳者会が、毎年催している。新型コロナウイルスの影響で、消防署での実施は5年ぶりという。 煙の体験は、長さ8メートルのテント内に無害の白い煙を充満させた。参加者は口をハンカチで押さえて、姿勢を低くして前に進んだ。亀井智美さんは「視界が悪くて先に何があるのか全く分からない。固い物にぶつかるかも思うと怖かった」と振り返った。 ボードには「はい・ある」「といれ」「くるしい」など、さまざまな困り事や、意思を表す言葉が書かれている。参加者からは、「みんなで意見を出して、亀岡オリジナルのボードを作っても良いかも」との意見も出ていた。