【特集】教育現場の働き方改革 教員が指導しない部活動の「カタチ」とは…?
■吹奏楽部の新指導者 岡本息さん 「先生から「こうだよね」「こうしてね」と言うのも大事なんですけど、生徒たちの思いというか、やっぱり音楽なので一人一人思っていることがそれぞれ違うので。思っていることを、それぞれの感性を最大に生かしたいというか、生徒さんたちに人としても、音楽の奏者としても成長してほしいなと思っております。」 生徒に近い目線で、音楽の楽しさを伝えたい。岡本さんの指導は、始まったばかりです。
書店の店主が指導する卓球部
尾道市立因島南中学校の男子卓球部では、因島で長く続く書店の男性が、6年にわたって指導を続けています。 ■因島書房店主 楠見剛(くすみ・つよし)さん 「仕事の時間が空いたときにお手伝い、協力しとるだけであって。私は顧問じゃないです。(普段は)書店員で、書店で営業しております。」
因島で60年続く書店「因島書房」の店主・楠見剛さんは、書店の仕事の合間をぬって、週に3日ほどボランティアで卓球部の指導におもむきます。 ■因島書房店主 楠見剛さん 「サーブして続くかどうか。思ったより消耗激しかったなと思って。まだ全然、これからです!全然大丈夫です。」
体力的になかなかハードな練習。書店の店主がなぜ、部活の指導を買って出たのでしょうか? ■因島書房店主 楠見剛さん 「本の配達で職員室にうかがった時に、当時の校長先生が卓球部でマシンを購入しようかしまいか話していまして。高価な卓球マシン買うくらいなら、僕が来て球あげしますよって。」
以来、6年にわたって外部指導者として、生徒たちとつきあってきました。それだけでなく、書店の隣にある楠見さん個人の練習場を、生徒たちのために開放しました。もとは、楠見さんの2人の子どもためにつくった卓球道場です。コロナ禍の間は使っていませんでしたが、この日は「もっと練習したい」という生徒たちのために、久々に道場を開けました。 ■卓球部の生徒は… 「部活ではやらないことをやって、楽しかったです。」 「早く来たかった。もうちょい。」
■因島書房店主 楠見剛さん 「試合で勝てるようになったら、もっともっと楽しくなってくるんですよ。人間的に成長したなって感じるときがあるんですよ。それを見たときに、(指導を)やってよかったなって思って。」 時代によって「カタチ」を変える部活動。地域や学校で子どもたちの成長を見守る、新しい仕組みづくりが求められています。 【テレビ派 2024年10月30日放送】