生成AIブームから考える「人間らしさ」とは【SENSORS】
「AIによってコンテンツの生産性が上がった場合、基本的にはウソのほうが多くなるというか、真実が保証できない情報がほとんどだという前提で行動するほうが安全ではないでしょうか。“ウソを言う”のは簡単だけど、“ウソを言わせない”のはすごく難しいですし、“ウソだと主張する”のは簡単だけど、“ウソだと証明する”のはすごく難しいですから」 沙羅さんと深津さんの話を聞き、生成AIをはじめとしたテクノロジートレンドをクリエイティブ目線・ビジネス目線でプロデュースするHEART CATCH代表の西村真里子さんは、「他人を信じるよりも、自分で見極めるとか、自分自身がどうあるかがより大切になってくるのですね」と共感を示す。
ウソを規制するのはおそらく不可能に近い。リアルとフェイクの混在が防げないという前提で、いかに行動するかがカギだと深津さんはいう。 「例えば、Zoom会議をするときに、コンピューターの先にいる相手が本物でもAIでもどちらでもいいようにコミュニケーションを取るというようなことが大切です。AIネイティブと呼ばれる世代の子たちは、すでにそうしているような気がします」 ◇ ◇ AIは、人間から学び、人間に近づいている。だからこそAIには、これまで私たち人間が気づいていなかった「人間性」が投影される。生成AIによってますます顕在化していくであろう人間の本質から目を背けずに、私たちの行動や考え方を変化させていくことが重要だ。