中高年は、運動しないと「思考力」「ストレス耐性」低下...いつ・どれだけ運動すればいいか
運動したほうがむしろ仕事後に疲れにくい
別の研究では、社会人71人に万歩計を着けてもらい、運動量を調査しています。ここからわかったことは、起きてから仕事が終わるまでの運動量が多いほうが、仕事を終えたときの疲れが少なかったのです。 1日中動かないほうが、むしろ疲れを感じてしまうというわけですね。 そして、1日の運動量が多いほうが、仕事が終わったあともリラックスできて、家族と充実した時間を過ごせていたこともわかりました。体を動かしていると、ワーク・ライフ・バランスが改善されるのです。 私たちは、仕事の前や、合間に運動をしてしまうと疲れ果ててしまい、仕事に悪影響が出そうと思いがちです。よほど激しい運動をしない限り、これは単なる思い込みといえそうです。 では、私たちはどれくらい運動するといいのでしょうか。 医学、生理学、運動学、公衆衛生の専門家10人が1つのガイドラインを明快に打ち出しています。 それは、健康のために、「早歩き程度の運動を週5回・30分以上行うか、ジョギング程度の運動を週3回・20分以上行うべきである」というものです。さらに、「週に2回ほど、体の主要な筋肉を鍛えるとよい」としています。 じつは、それほど多くの運動量が求められているわけではありません。通勤時に早歩きをするなど工夫すれば、ガイドラインを超えられそうです。 若杉忠弘(グロービス経営大学院教授)