強制不妊巡り大分県内の女性2人が和解…大分地裁で国側「謝罪します」、合意書調印後の成立は初
旧優生保護法に基づいて不妊手術を強制されたとして、大分県内の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟は20日、大分地裁（三宅知三郎裁判長）で和解が成立した。こども家庭庁によると、原告側と国の和解合意書調印後の和解成立は初めて。 【写真】旧優生保護法を巡る国家賠償請求訴訟で旧法を「違憲」とした最高裁の前で、「勝訴」と書かれた紙などを掲げる原告ら（7月3日、東京都千代田区で）
国側は法廷で「解決を遅らせたことを重く受け止めている。原告の心を傷付けたことを謝罪します」などと述べた。13日に調印された和解合意書に基づき、国がそれぞれ慰謝料1500万円などを支払う。
訴状などによると、知的障害がある70歳代女性は、16～20歳頃に、別の70歳代女性も10歳代後半頃にそれぞれ、不妊手術を強いられたという。いずれも旧法によって尊厳を踏みにじられ、子どもを産む権利を剥奪されたと訴えていた。
和解成立後、弁護団代表の徳田靖之弁護士は「望み通りに解決することができた。声を上げられていない人たちにも成果を届け、全ての被害者のために全力を尽くす」と話した。
