女子１５００ｍ予選２組１着で決勝に進んだ田中希実

　陸上女子の田中希実（ニューバランス）は〝リラックス精神〟で好走につなげた。 　27日に開幕した日本選手権（新潟・デンカビッグスワンスタジアム）の1500メートル予選では、4分8秒16の2組1位で決勝へ進出した。残り2周で先頭に躍り出ると、後続の選手を寄せ付けなかった。レース後には「今日の予選でも落ちるかもしれないぐらい緊張していた。決勝というつもりで走った部分もあった。今日は神経質に慎重に準備をした」と安堵の表情を浮かべた。 　先月19日のセイコー・ゴールデングランプリでは自身の葛藤を告白する場面もあったが、同25日のダイヤモンドリーグ（DL）第5戦で5000メートルのパリ五輪切符を奪取。「春先は緊張感を持とうとしすぎて、自分の中でレースを楽しめないぐらいだった」と振り返った上で「今は緊張を緊張として受け入れつつも、それを自分の中でキャッチして、緊張とリラックスのいいバランスを精神的にとっていくことが、結果的にいい雰囲気の中でレースを始められて、今日のようにいい流れになっていくと思う」と手応えを口にした。 　28日の決勝で参加標準を突破して優勝すれば、1500メートルでもパリ五輪が決まる。大一番を前に「タイムも意識したような攻めのレースができたら」と意気込んだ。