「懐かしい~!」はっさくや甘夏むきに活躍した〝鳥〟 発売は60年前、今どこに?
はっさくや甘夏の季節です。甘味と酸味、ほんのり苦みもあっておいしいけれど、厚めの皮はむきにくい……。そんな時に大活躍する〝プラスチック製の鳥〟が、SNSで「懐かしい~!」「すごく便利だった」と話題になりました。筆者が子どもの頃、実家でも使っていたあの鳥。実は「ミニー」という名前がついているそうです。製造元を取材しました。(withnews編集部・河原夏季) 【画像】懐かしすぎる〝鳥〟の姿 「実家で使っていた」報告も
実家にあった〝緑色の鳥〟
幼い頃、筆者の実家や祖父母の家には〝緑色の鳥〟がいくつもありました。子どもの手では硬くてどうにもうまくむけない厚皮みかんが、〝鳥のくちばし〟を借りて切れ目を入れるとむきやすくなるのです。 実家を離れてからというものその存在を思い出すことはほとんどありませんでしたが、今年1月、SNSで話題になっている〝鳥〟を発見。そこで初めて「厚皮みかんの皮むきミニー」という名前がついていることを知りました。 いつ発売して、今はどうなっているのか。もっと「ミニー」のことを知りたい……。どうも製造元は農業機械メーカーのようです。なぜ農業機械メーカーが……?
「脱下請け」を目指し先代が発案
「ミニー」を製造販売するのは、大阪府八尾市の農業機械メーカー向井工業です。 担当者によると、「ミニー」は先代の社長がデザインした商品。先代は20年前に他界しているため、詳しいことは不明としつつも取材に答えてくれました。 「ミニー」が誕生したのは今から60年ほど前の1965年頃。現在は農業機械を製造販売していますが、1960年の創業時はプラスチック成型加工販売をしていたそうです。 「当時は個人事業主で、プラスチック成型の下請けを行っていました。下請けですと取引先からの受注待ちで主導権は取引先にあります。『オリジナル商品を作って、儲けの少ない下請けから脱したい』という思いから『ミニー』を商品化したと聞いています」 先代がデザインをして、名前も付けました。 「果物が好きな先代でしたので、厚皮みかんの皮むきを思いついたのかもしれません」と担当者。しかし、「なぜ鳥の形にしたのか、『ミニー』という名前にしたのかは分かりません」と話します。