【効率化でコスト削減はいいけど、今いる人はどうなる?…】「業務の効率化で“不要になった社員”」活用する術はある?「いきなり異動させても…」御社は大丈夫?
新事業の検討に躊躇される経営者は、浮いた人員をとりあえず他部署に異動させるといったことをやりがちです。 言うまでもなく、これでは付加価値額はまったく変わりませんし、押し付けられた部署は余計な混乱が発生するなどネガティブな事態を招きかねません。 付加価値額を念頭に、浮いた人員を営業部門に異動させるといった手段に出る経営者もいます。 これも浮いた人員が営業経験者ならばさておき、そうでない場合には(こちらのほうがケースとしては多いでしょう)かなりの荒業と言わざるを得ません。
「営業担当者が増員になるのだから、顧客訪問や商談の時間も増えるはず、だから売上も増えるはずだろう」といったロジックを現場に押し付けられることもあります。これは営業部門の責任者や管理職にとっては、たまったものではありません。 小手先でつくろったとしても事態が好転することはなく、悪い状態を先送りしているだけで終わってしまうものです。 「守りのDX」の効果を出したいのであれば、時に「思い切った改革」も必要です。それについては次回記事で述べましょう。
大野 隆司 :経営コンサルタント、ジャパン・マネジメント・コンサルタンシー・グループ合同会社代表